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再開と再会

4月20日(水)~22日(金)

職場にようやく活気がもどってきた。新学期オリエンテーションである。

20日は、編入生対象、21日は在学生(2~4年生)対象、22日は新入生対象である。

編入生は、いってみれば新入生と同じで、まったく新しい環境でスタートする。私が担当した学生3人は、みんな目がキラキラしていたなあ。授業が楽しみだ、と言っていた。

在学生たちとも再会する。私が担当する学生たち、全員と再会することができた。震災後はじめて顔をあわせた学生もいる。とくに、震災で被災した学生の、以前と変わらない姿を見たときは、ちょっと涙が出た。…いや、たぶん花粉症のせいだろう。

新入生たちの目も、キラキラしていたなあ。オリエンテーションに参加した同僚たちも、100人あまりの新入生たちを前にして挨拶にギャグを織り交ぜながら、笑いをとっていた。みんな芸達者だなあ。芸がないのは私だけだったな、と、少し落ち込んだ。

みんながこの時を待ち望んでいたのだ。

もちろん、私もこの時を待ち望んでいたが、授業の準備がまったく進んでいないことに、呆然とする。この「失われた1カ月」を、なんとか取りもどさないといけない。

能力も実行力もない私は、見知らぬ土地や見知らぬ人たちの前でボランティア活動をすることなど、とてもできない。目の前にいる人たちに迷惑をかけないようにあくせくするだけで、精一杯である。とりあえず、目の前にいる人たちのために頑張ろう。

23日(土)

来週からの仕事の準備のために、職場に行く。すると外では、新入生を歓迎するための、学生主催の行事が行われていた。主たる目的は、大学のサークル活動を紹介し、新入生を勧誘することのようである。私が学生の時もあったし、私がいた韓国の大学でも、まったく同じ行事があった。

雨にもかかわらず、多くの学生たちが来て、活気づいていた。メイン会場となる舞台の上では、タイムテーブルに合わせて、各サークルが出し物をしている。

窓を開けて、外の様子を聞きながら、仕事をすることにする。すると、お笑いサークルの舞台がはじまった。

3組のお笑いコンビが、ショートコントとか漫才とかをしていたが、「???」という感じである。

その後、建物を出て外を歩いていると、お笑いサークルの前会長だった、Tさんとバッタリ会った。

「お笑いサークル、さっき舞台に出てたね」と言うと、

「す、すいません。昨年はもっと面白かったんです。…それと、2組目のコンビは、舞台に立つと、必ずセリフがとんでしまうんです」

と、こちらが何も言っていないのに、恐縮した感じで私に言う。

「たしかに、セリフがとんでいたね」

「毎回そうなんです」

決められたセリフを毎回必ず忘れてしまうお笑いコンビって、かなり致命的だと思うのだが…。

再び建物の中に入り、窓を開けたまま仕事を続けていると、舞台ではいろいろな催しものが入れ替わり行われている。

なかでも面白かったのは、のど自慢大会である。歌っている学生たちも芸達者だったが、進行する司会者も、じつに「ちゃんと」していた。

余計なことは言わず、テキパキと進行しつつ、それでいて、本来の趣旨であるサークル紹介をきちんと織り交ぜてくる。ちょいとした「大木凡人」である(といっても、このたとえがどのくらい通じるか…)。段取りがちゃんとした司会、というのは、こうも心地よいものか、と、たいへん勉強になった。のど自慢にかぎらず、全体として、司会がちゃんとしていた、というのが、心地よかった。

結局、イベントが終わるまで、窓を開けたまま仕事をしていた。

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