歯医者政談
地震の後、歯が痛くなりましてね。
地震から一週間ほどたった頃だったか、ちょうどお彼岸が近くなって、急にみたらし団子が食べたくなりまして、スーパーで買って食べたら、どうもその時に奥歯のつめものがとれてしまったみたいなんです。それから歯が痛くなった。
で、このまま放っておくわけにもいかないし、仕方なく、大キライな歯医者に行くことにしたんです。ふつうの家を改築したようなこじんまりした医院で、先生がお一人でやっておられるところ。
なぜそこにしたかっていいますと、自宅と職場の中間くらいの場所にあって、職場の帰りに寄るのにちょうどよかったからです。数年前もそこで治療を受けたので、前と同じところでいいや、てことで。
4月12日(火)だったでしょうか。夕方5時半に予約を入れて、時間通りに歯医者に行ったんですが、まー、待てど暮らせど、名前が呼ばれない。
なにしろ、先生一人でやっているようなところですから、たぶん、予約をどんどん入れてしまって、治療が追っつかないということなんでしょうな。
待合室でうっかり居眠りをしてしまって、ハッと目が覚めても、まだ名前が呼ばれない。
結局、治療がはじまったのが夜の8時ですよ!2時間半待ちました。2時間半。
私、めったに歯医者に行かないのでわからないんですが、こういうことって、よくあることなんでしょうか。
それにしても、先日、ガソリン不足だっつって、ガソリンを入れるのに2時間待たされたことがありましたけども、それ以上の待ち時間ですよ!こうなってくると、ガソリンを入れるのに2時間待つなんて、そんなに深刻なことではないってことになりかねません。それよりも歯医者の待ち時間の方が深刻です。
医者の先生は、私と同世代くらいの男の先生。治療じたいはぜんぜん痛くなかったんですが。
治療がはじまると、時節柄、地震の話とか原発の話とかをするんです。そこまではまあいいとして、とくにこの先生のお気に入りは、どうも、「無能な政治家」の話らしいんです。
「今の首相もかわいそうですよねえ。いくら無能だからって、周りの人があんなにいじめなくってもいいのにねぇ。クックックッ…そう思いませんかぁ?」
といった調子。まるで無能な首相がいじめられているのが嬉しい様子。
「そう思いませんかぁ?」と聞かれて、どう答えたらいいのかがわからない。だいいち、こっちは口を開けているので、せいぜい、
「はぁ…、ほうへふへえ。ふんがぁ…」
と答えるしかありません。
どうもこの先生、話題の最後に「そう思いませんかぁ?」と言うのが口癖のようで、そのたびに私は、
「はぁ…、ほうへふへえ」
と答えるしかないのです。
勢いに乗る先生は、
「私が首相だったら、○○さんを○○大臣にして、○○さんを○○大臣にして…」
と、歯医者政談がはじまります。ま、言っちゃ悪いですが、そんなにたいした話ではない。でも最後に、
「そう思いませんかぁ?」
と聞かれるので、
「はぁ…、ほうへふへえ」
とまた答える。もう私にとってはどうでもいい話なんですが。
そこで、思い出したんですよ。
数年前に同じ歯医者に行ったときに、やはりその先生は、当時の首相の無能ぶりを話題にしていたことを。
「○○首相、いくら無能だからって、まわりがあんなにいじめることないのにねえ、あれじゃあいくらなんでもかわいそうですよ。クックックッ…そう思いませんかぁ?」
「はぁ…、ほうへふへえ」
ああ、思い出した。腕はたしかなんだが、この歯医者政談はなんとかならんものか、と、その時も思ったんだった。
ということで、次に歯が痛くなったときに、同じ歯医者さんにしようかどうしようか、その判断材料にするために、忘れずにこのことを記録しておくことにした次第でして…。
ヌルいお話、でございました。
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コメント
実家の駅前にある歯医者さんはとても親切なのか、待合室でお茶とお煎餅が出てきます。もちろん診察前です。
投稿: こぶぎ | 2011年4月20日 (水) 10時29分
歯医者にまつわるエピソード、ありがとうございます。これまた、昼間のAMラジオへのおハガキのような趣き。
投稿: onigawaragonzou | 2011年4月20日 (水) 22時40分