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くるみぼたんの謎

何を隠そう、手芸サークルの顧問である。

昨年、学生のSさんから、「手芸サークルを作りたいので、顧問になってください」と依頼があり、ふたつ返事でOKした。手芸サークルは、昨年12月、大学の正式サークルとしてめでたく承認された。

先日の、新入生歓迎の行事に、サークルとしてはじめてブースを出し、新入生の勧誘を行ったそうだ。

「でも当日は大雨で、さんざんな目に遭いました」とSさん。ブースは出したものの、テントがなかったので、傘をさして1日中立ちっぱなし。作品もずぶ濡れになったという。

「新入生に名前を書いてもらうこともできずに、とりあえず来た人に、こちらの連絡先を書いたチラシだけ渡すことにしました」弱小サークルの悲しさか。「でも手応えはあります。何人かは入ってくれるかも知れません」部員は現在のところ、13人だという。まずまずのすべり出しではないか。

だが、ひとつ問題がある。それは、顧問である私が、手芸についてまったく知識がない、ということである。

この手芸サークルの名を、「くるみぼたんの会」という。

この、「くるみぼたん」というのがわからない。何なんだ?「くるみぼたん」って。

妻に電話で聞いてみた。

「手芸サークルの名前が『くるみぼたんの会』っていうんだよ。ヘンだよねえ」

「どうして?いい名前じゃない」

「そうなの?」

「まさか、…くるみぼたんを知らないの?」

「知らないよ」

妻は呆れた様子である。

聞いてみると、くるみぼたんとは、表面を布などで包んだボタンのことだという。そういえば、そんな感じのボタン、見たことあるなあ。

そこでハタ、と気がつく。

「そうか。くるみは、ボタンを『くるむ』から来てるのか~」

「今ごろわかったの?」

「てっきりくるみは胡桃のことだと思ってた。で、ボタンは牡丹の花。そういう手芸のデザインをいうのかと思った」

本当は、胡桃入りの「ぼたもち」のことか、とも思っていたのだが、それではあまりにも食い意地が張っていると思われるので、言うのをやめた。

とにかく、私が思っていたイメージとは全然違い、むしろ手芸サークルにふさわしい名前であることを、ようやく知ったのであった。

そもそも、このレベルの知識しかない、というか、このレベルの知識すら持っていない私が顧問になっていいのだろうか?これまで、あまりにも手芸とは無縁の人生を送っていたことを、少し反省した。

そういえば、前の職場では茶道部の顧問をしていたんじゃなかったかな。その時もやはり、まったく茶道のことを知らず、茶道と無縁の人生を送ってきたことを反省したんだったな。

そう思うと、日々、反省をくり返しながら、ちっとも学んでいない。

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