みんな私が悪いのだ!
5月31日(火)
つくづく自分は、事務処理能力がないと思う。
今年度からある仕事を引きついだ私は、午後、必要な手続きがあって郵便局に行った。「必要な手続き」とは、「振り込み用紙に口座番号と加入者名を印字してもらう」という手続きである。
本来ならばもっと早く手続きに行けばよかったのだが、得意の「先送り」で、今の今まで先延ばしにしていた。
それほど面倒な手続きではないだろうと思い(そもそもそう思っている私が悪いのだが)、「印字をお願いしたいんですけど」と振り込み用紙を見せながら窓口で尋ねると、
「その口座は、うちの郵便局のものでしょうか?」と職員さんが言う。そこまで確認してこなかった。その点も、私が悪い。
「すいません。仕事を引きついだばかりでわからなくて…。たぶん職場から一番近い郵便局なので、そうだと思うんですけど…。あのう、ここでそれを調べることはできないんでしょうか?」
「ちょっとお待ちください」
職員さんは、台帳のようなものを奥から取り出して調べはじめた。
「…確かにうちの郵便局ですね。では、こちらの申請書に、必要事項を記入してください」
申請書を受けとった。
「この欄に届け出の印鑑をお願いします」
「印鑑も必要なのですか?」
「はい」
知らなかった。簡単に手続きできると思い込んでいた私が悪かった。
「すいません。印鑑を持ってこなかったので、出なおしてきます」
郵便局を出る前、念のため職員さんに尋ねた。
「あのう、これ、どのくらいでできあがりますか?」
「そうですね…。1週間はかかります」
「い、1週間ですか!?」思わず声を上げてしまった。
「まず、この書類を隣県の事務センターに送って、残高を確認してもらって、大丈夫であれば、代金の引き落としの手続きや印字作業をして、送り返してもらいますので、どうしても1週間はかかります」
このITの世の中で、1週間かかるとは!!作業自体は、そんなに難しいものではないはずである。
せっかちな韓国だったら、たぶん1時間もかからないでできあがるぞ。
以前だったら、お役所仕事だと思ってあきらめるが、何年か前から、民営化したんだよね!?
…という言葉がのど元まで出かかったが、悪いのは私の方なのだと思い、グッとこらえた。
とりあえず印鑑を取りに職場に戻った。
申請書類に不安なところもあり、何人かの同僚に聞きに行ったりして、ちょっと手こずってしまった。
これが命取りになる。
ふたたび郵便局に行くと、
「4時を過ぎましたので、受付は終了しました」
ええぇぇぇ!!そんなこと、聞いてないよ!
聞いてない私が悪いのだが、終了時間が近づいていたのなら、「窓口は4時で終了しますので、お急ぎください」とか何とか、ひと言あってもよかったのに…。
「どうしてもダメですか」食い下がる私。
「すいません。…もう閉めてしまいましたので」
やはりお役所仕事だ。うちの職場だって、5時を過ぎても職員さんがいれば、申請書を受けつけてくれる場合があるぞ。民営化したんじゃないのか?
…という言葉がのど元まで出かかったが、悪いのは私の方だと思い、グッとこらえた。
「町の中心部にある中央郵便局ならば、6時まで開いておりますので」と職員さん。
今からそっちへ行けってか?!
私はできれば今日中にこの仕事を済ませたいと思っていたので、仕方なく言われたとおり中央郵便局まで行くことにした。
窓口に申請書を出す。「これ、お願いします」
「口座は、うちの郵便局でしょうか?」と職員さん。
「いえ、違います。○○郵便局です。4時になって、受付が終了してしまったので、こちらを紹介されたんです」と私。
「そうですか…」職員さんは困った様子。
「いちおうお預かりすることはできるんですが、このご印鑑が届出の印鑑であるのかを確認する作業が、こちらではできないんですよ」
「どういうことですか?」
「つまり、これは○○郵便局の口座なので、印鑑が届出のものかどうかを確認できるのは、○○郵便局だけで、うちではできないんです。あと確認できるのは、隣県の事務センターだけです。ですので、うちでお預かりした場合、隣県の事務センターに送って、もし間違いがなければ、そのままそこで印字の作業に入りますが、もし届出印が違う、ということになった場合は、いったんこの書類が送り返されて、もう一度書類を作成していただくことになります」
それを聞いて、急に不安になってきた。捺した印は、本当に届出印なのか、自信がなくなってきたのである。こんなことなら、さっきの郵便局で、届出印かどうかだけでも確認してもらえばよかった…。というか、さっきの郵便局ではそんなことひと言も言ってなかったぞ。
「じゃあ聞きますが、もし…、もしですよ。この印鑑が間違っていたとすると、どのくらいでそれがわかるのですか。」
「これを隣県の事務センターに送って、向こうで確認したあと、送り返されてきますので、3,4日はかかると思います」
ええぇぇぇ!!
「…さっき、印字ができて送られてくるまで1週間かかるって、言われたんですが」
「そうですね。そのくらいかかりますね」
「とすると、もし印鑑が間違っていたら、いったんそれが送り返されて、また申請して、最終的には10日以上はかかる、ということですか?」
「そうなりますね」
なんというアナログなシステムだ!「白やぎさんからお手紙着いた 黒やぎさんたら読まずに食べた 仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに?」的なやりとりではないか!(よくわからん)
民営化したんですよね?!
…という言葉がのど元まで出かかったが、悪いのは私の方なのだと思い、グッとこらえた。
ここではっきりと、捺した印鑑が届出印だということが確信できていればいいのだが、なにしろ引きついだばかりなので、絶対に間違いない、とまでは言いきれない。
「わかりました。じゃあ、もういいです…」
私は申請書を出さずに、中央郵便局をあとにした。
ここでボッキリと心が折れてしまい、今日はもうこの仕事をする気がなくなった。
悪いのは私。すべてこの私ですよ。手続きについて何も知らなかったこの私が悪いのです。職員さんにも丁寧な対応をしていただきました。でも、「十分な説明を受けないまま、たらい回しにされた」ような気分になってしまったのは、一体なぜだろう?
ま、ここでネタにしたから、いいか。
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