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何運が悪いのか

5月11日(水)

たとえば、職場やデパートなどの公共のトイレに入って、用を足したあと、トイレットペーパーを使おうとしたら、途中でなくなってしまい、トイレットペーパーを交換する羽目になる。

自分がトイレに入るたびに、いつもトイレットペーパーを交換する役回りになる。

こういうのを、「トイレットペーパー運が悪い」って言いますよね。

では、こういうのは何運が悪いって言うんでしょうか。

コンビニやスーパーで買い物をして、レジで「390円です」と言われる。

で、財布の小銭入れを一生懸命になって探すと、ギリギリ、389円しかない。

レジのところで長時間、小銭入れの中の小銭を数えて、結局1円足りなくて、1万円札を出しておつりをもらう。

私はこんなことが、2日に1度くらいある。こういうとき、必ず、1円か2円足りないのである。

これは「小銭運」が悪い、というのだろうか。

こういう些細な運の悪さにかけては、たぶん私の右に出る者はいない。

今日は、こんなことがあった。

退勤時間を過ぎた夕方、明日と明後日の3コマ分の授業のプリントを印刷しようと、大量の原稿を持って、2階の印刷室の印刷機を使い始めた。コピー機ではなく印刷機を使うのは、印刷部数が多く、コスト面を考えてのことである。

印刷機で印刷をはじめると、ほどなくして「インクを交換してください」という表示が出て、機械が止まった。

自分が使うときにかぎってインクがなくなることは、よくあることである。「トイレットペーパー運」ならぬ、「インク運」がないのである。

またかよ、と思い、さてインクを交換するか、と、新品のインクを探してみるが、いくら探しても、全然見あたらない。

事務室に、残業している職員さんがいたので、

「印刷機のインクが見あたらないんですけれど…」

と言うと、

「すいません。在庫がなくなっちゃったんです」

という。

「えっ?在庫がないっていうことは、全くないってことですか」

「そうです」

「じゃあ、印刷機は使えないってことですね」

「ええ。インクは明日発注するので、早くて明日の午後か、明後日以降か…」

ええぇぇぇぇ!こっちは、けっこう急を要するんだが…。授業のプリントが印刷できないとなると、死活問題である。

10年この仕事をしていて、職場にインクの在庫(買い置き)がまったくなくなったというのは、はじめてである。

震災の影響でインクが不足しているんだろうか?という想像が頭をよぎった。だが、私にとっては、ガソリン不足よりもインク不足のほうが深刻である。なにしろ授業の生命線なのだから。

「すいませんが、4階にも印刷機がありますので、それを使ってください」

「はあ」

4階の印刷機は、私もしばしば使っている。だが、ここ1年くらい、すこぶる調子が悪いのだ。

両面印刷をしようとすると、すぐにオムズカリである。私との相性も悪い。

印刷機は、左側にセットした白紙の紙をローラーを使って1枚ずつ「飲み込み」、中でインクをのせ、右側から1枚ずつ「吐きだす」、という仕組みである。

ところが、私が両面印刷をすべく紙をセットすると、最初の片面は機嫌よく印刷してくれるのだが、ひっくりかえして裏面を印刷すべくセットすると、「めんどっくせえな!」ってな感じで、1度に数枚まとめて飲み込み、数枚まとめて吐きだすのである。

それで結局、印刷されないまま吐きだされる紙が何枚も出てくるはめになる。

…どうもわかりにくい説明だな。

ともかくそんな調子で、4階の印刷機を使うと、必ずトラブルを起こすのである。印刷機の機嫌をとりながら、だましだまし印刷機を使ったとしても、たとえば6枚(両面3枚)の原稿を50部ずつ印刷するのに、1時間近く手間がかかることもある。

だからできることなら、4階の印刷機は使いたくないのだ。

だが背に腹は代えられない。何しろ授業3コマ分のプリントをまとめて印刷しなければならない。

しぶしぶ4階の印刷機を使うことにした。

(頼む。今日は機嫌よく印刷してくれ…)私は印刷機の前で手を合わせた。

だがやはり、印刷機はオムズカリである。「めんどっくせえな!」ってな感じで、一度に数枚の紙を飲み込み、吐きだしている。

「またかよ!いい加減にしろ!」さすがの私もキレた。

「うっせえよ!めんどっくせえもんはめんどっくせえんだよ!」

誰もいない印刷室で、しばし印刷機と口論。

こうなるともう、この印刷機は使う気にならない。もはや打つ手なしである。心がボッキリと折れてしまった。

こういうのを何運が悪いっていうんですか?印刷機運?

さらにどうでもいいことだが、実は私のその日の気分は、天気ではなく、印刷の出来にかなり左右される。

授業のプリントの印刷の仕上がりがよければ、1日機嫌がよいが、逆に上手くいかないと、すこぶる機嫌が悪くなるのだ。

だから、私を殺すには刃物はいらない。ままならない印刷機のひとつもあればいい。

はたして明日は、機嫌がよくなるか?印刷機も、私も。

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コメント

 先日はこちらにいらしたそうでお会いできず失礼しました。次回はぜひマイ作業着でお越し下さい。わたくしの「愛の前立てヘルメット」がよく似合うかと思います(記念写真サービス致します)。お帰りの際は、学校最寄りの某スーパーでかりんと饅頭を売っていますのでお忘れなく。
 例の「船中八削」によりレジュメ印刷も全廃しましたので、今年はまあ準備の楽なこと。この際ですから突然エコに目覚めたとか因縁つけて、プリント撤廃というのも一興かと思います。まあ「プロジェクター運」とか「各種リモコン運」とかが尽きていなければの話ですが。
 でもね、日常茶飯事の印刷機トラブルでこれだけの長編ネタになるんだからオイシイじゃないか。ネタ運には恵まれているようですよ。

追伸:さんまは目黒に、生春巻はイー○ンに限る。お皿に並べた春巻きがくっついちゃった場合は、全体をさらに大きなライスペーパーで包み、大き目の春巻だと自分に言い聞かせてみるのはどうでしょう。

投稿: こぶぎ | 2011年5月13日 (金) 04時15分

最近の私の日記の内容をちりばめたコメント、さすがです。お察しの通り、このブログは「ライスペーパーの…」「自意識過剰の…」「何運が…」の「ダメ人間三連作」のようなスタンスのネタを書き続けることが目標です。たまにブレることもありますが、今後ともどうぞよろしく。

投稿: onigawaragonzou | 2011年5月15日 (日) 20時08分

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