開かないフタはない
5月22日(日)
巷では「トイレの神様」とかいう歌が流行っているそうだが、私にとっていま必要なのは「やる気の神様」である。
とにかく能力に比してやるべきことが多いので、週末が近づくたびに「よし、今週末は人が変わったようにたまった仕事を片づけるぞ!」と思うのだが、いざ土曜日になると、身体が鉛のように動かなくなってしまう。
ま、日曜日があるからいいか、と思って、日曜日になると、「午前中は休んで、午後からがんばろう」となる。で、あっという間に夕方。
そんなふうに「僕の一日がすぎてゆく」(井上陽水の歌からの抜粋でございます)。
ああ、韓国にいた頃は輝いていたなあ。それが今じゃあ、このていたらく。日記の質も落ちる一方だ。
ということで、週末は何一つ面白いことがなかったので、どうでもいい話をひとつ。
5月の大型連休、東京から車でこっちに戻ってくる途中、サービスエリアで「ほたるいかの沖漬け」の瓶詰めを発見。お酒の四合瓶みたいな、細長い瓶に入ったものである。
私は「ほたるいかの沖漬け」に目がないので、見つけるとすかさず買った。で、冷蔵庫に保存し、今日いよいよ、瓶を開けてほたるいかの沖漬けを食べることにした。
ところが、である。
瓶のフタが、ぜんぜん開かない。ピクリとも動かないのである。
まあこんなことはよくあること。素手で開けようとするから滑ってしまってダメなんで、ハンカチとかゴム手袋とか、なにかそういったものを使ってフタをまわせば開くだろう。
と思って挑戦するが、やはり開かない。ピクリともしないのである。
何度も挑戦しているうちに、握力がだんだん弱くなってきた。
(ダメだ。これでは悪循環だ。もう開く気がしない…)
いっそのこと、瓶をたたき割って中の沖漬けを取り出そうか、とも本気で考えたが、そんな手荒なマネはやめた方がよい、だいいち、割れたガラスが沖漬けの中に紛れ込んだら食べられなくなるぞ、と思いなおし、あきらめた。
(困ったなあ…)
そうだ!世の中には、インターネットという、大変便利なものがある。
私はさっそく、「瓶の蓋 開かない」と検索したところ、さっそくヒットした。同じことで悩んでいる人は、たくさんいるようである。
まっ先に出てきたのは、「誰かが質問して、それを誰かが答える」というサイトである。私が日ごろ、「質問する方も質問する方だが、答える方も答える方だ。こういうところに質問したり、答えたりする人の心理がわからん」と不思議に思っているサイトである。
「瓶のフタがピクリともしません。どうしたらいいでしょう」という、私とまったく同じ悩みに対して、多くの人が答えていた。
「開かないフタを開ける便利グッズがあります」とか、「大丈夫、2人いれば開きます」とか、私にとっては役に立たない答えばかり。
こんなことのために、わざわざ便利グッズ屋さんをさがしたいとは思わないし、ひとり暮らしをしている身で「2人で開ける方法」を聞いても、まったく意味がないのである。
(困ったなあ…)
すでにもう30分近くたっていた。
(万策尽きたか…)と天を仰ぎ、瓶のフタに手をかけると、
スルッ。
あれ?!瓶のフタが開いたぞ。どういうこっちゃ!?
原因がわかった。
私はほたるいかの沖漬けの瓶を、冷蔵庫の中でキンキンに冷やしていたのである。そうすると冷蔵庫の中で金属のフタが冷やされ収縮し、瓶を締めつけてしまい、開かなくなってしまったのである。
逆にフタを温めれば再び膨張するわけで、私があれこれと試行錯誤しているうちに時間が経ち、自然とフタが温まり、開いたという次第。
結論は、まあ落ち着け、ということですな。
そういえば一昨日、「就活がこのまま終わる気がしません」といって研究室に来た学生に、
「終わらない就活はないのだ」
と言ったばかりだった。瓶のフタも同じである。
開かないフタはないのだ!落ち着けば、必ず開くのだ。
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