ライスペーパーの惨劇
5月9日(月)
風邪が全然治らない。市販の薬を飲んでも全然効かない。
ということで、午前中、病院に行くことにした。
ふだん、風邪くらいでは病院に行かないのだが、この時期に風邪を引いてしまうと、のちのちの仕事に差し支える。
病院で薬をもらい、午後の授業をこなし、夕方、ある仕事で片道50キロのところまで車を走らせる。
で、家に戻ったのが9時過ぎ。風邪は治るどころか、ちょっと悪寒がする。
(いまから夕食を作るの、面倒くさいなあ…)と思いつつも、(風邪が治らないのは、野菜が足りないからだ)と思い直し、野菜が多くとれる食事を作ることにした。
そうだ!生春巻きだ。
生春巻きは、サニーレタスだとか、ニラだとか、キュウリだとか、意外に野菜を多く摂取できる。それになにより美味しい。
大型連休中、妻が何度か家で作っていた。私も「エビを煮る」「野菜を切る」くらいは手伝った。
だが、肝心の「ライスペーパーで具を巻く」という作業だけはやらせてもらえなかった。ま、見よう見まねでやればなんとかなるだろう。
ということで、スーパーで食材をそろえることにした。もちろん、生春巻き用のスイートチリソースも買う。
エビを煮るのは面倒だから、代わりに焼き豚を使うことにする。ビーフンはスーパーになく、以前、ひとり鍋をやるときに使ったマロニーが家に残っていたのでそれで代用することにした。
家に帰って、さっそく生春巻き作りのスタートである。
「ライスペーパーは、長時間水につけておくとエライことになるから、具を巻く直前に1枚ずつ水につけた方がいい」という妻の言葉を思い出し、袋から1枚ずつ取り出し、水につけることにした。
ライスペーパーって、最初はプラスチックみたいに堅いのね。少し水につけたくらいでは柔らかくならないなあ、と思ってしばらく待っていると…、
急激に柔らかくなり出した!で、そのあとは皮どうしがひっついてしまって、取り返しがつかない感じになってしまった。
(これか…、妻が言っていたことは)
2枚目からは、サッと水につけ、まだ堅いうちに具をのせていった。具をのせていくうちに、いい感じでライスペーパーが柔らかくなっていく。
だが、なかなかきれいに巻くことはできない。具が多すぎるせいかも知れない。とりあえず、筒状に巻いて、できあがったものから皿にのせていく。
焼き豚も野菜も、ちょっとずつしか使っていないはずなのに、ライスペーパーの使用枚数がどんどん増えてゆく。そしてできあがった生春巻きを、皿にどんどん積んでゆく。
すると、みるみるうちに、ビックリするくらいの量の生春巻きができあがってしまった。数にして、10個くらいはあっただろうか。
皿には、こんもりと生春巻きの山である。
ふだんお店で食べるときだって、多くて2個が関の山である。それを10個って…。
でもまあいいか。食材の量としてはそんなに多くはないはずだから、野菜を多くとるつもりで、すべて食べてしまおう。
さあそれじゃあ食べるとするか、と、皿から生春巻きを1個とろうとして驚いた。
(と、とれない…)
できあがった生春巻きを小さい皿に重ねて積み上げていった結果、いつの間にかライスペーパーの皮どうしがひっついてしまい、生春巻きがとれなくなってしまったのである。10個の生春巻きは、完全に一体化してしまったのだ!
これではまるで、10個の生春巻きではなく、1個の巨大な生春巻きである。
(どうしよう…)
仕方がないので、皿にこんもりと山のようになった巨大生春巻きを、少しずつ突き崩しながら、食べていくことにした。
巨大生春巻きは、見るも無惨な姿で突き崩されていく。
(ひとりでよかった…こんな姿、とても他人には見せられない)
食べるそばからボロボロと崩れてゆく無惨な姿は、もはや生春巻きではなかった。単に生野菜を、スイートチリソースにつけて食べているのと一緒だ。
…風邪がますます悪化した気がする。
今日の教訓はふたつ。生春巻きを作るには、生春巻きどうしがくっつかないくらいの広い皿が必要である。
そしてもうひとつは、マロニーは生春巻きには全然合わない!やはりビーフンでないと。
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