いまさら「告白」
5月28日(土)
週末は東京。
もう半年くらい前から、懸案の事項があった。
湊かなえの小説『告白』の韓国語訳版を読む、ということである。韓国滞在中に、妻が買った本である。
妻が「これ面白いから読んだ方がいいよ」という。日本でそうとう話題になった小説である、というくらいは、知っていた。
「日本語版(つまり原作)じゃダメなの?」と聞くと、
「日本語版は読んでないからわからない」という。誤解のないようにことわっておくが、妻は日本人である。たんにあまのじゃくなだけである。
で、ことあるごとに「『告白』は読んだ?」と聞かれ、そのたびにはぐらかしていた。
この小説は、昨年に松たか子主演で映画化され、公開された。妻に「映画も面白いよ」とすすめられたが、それも二の足を踏んでいた。あるラジオDJが、「この映画はすごくよくできているし、面白いんだが、登場人物を誰も好きになれない」というニュアンスのことを言っていて、何となく後味の悪い映画なのだろうか、と勝手に思いこんでいたからである。
だが辛口批評家の妻が面白いというからには、やはり面白いんだろうと思い直し、この週末に見ることにした。
で、感想。この映画、そうとう面白い。面白い、といういい方は語弊があるかも知れない。とてもよくできている。
とくに最初の30分は圧巻である。
「これ、最初の30分だけでも、十分面白いね」と妻にいうと、
「もともと、この小説が最初に発表されたときは、映画の最初の30分にあたる部分だけだったんだけど、面白さが評判になって、続きが書かれたらしい」とのこと。なるほど、そういうことか。
これで、韓国語訳版『告白』を読むモチベーションが上がった。
ちょっと待て。いま気づいたぞ。最近妻がすすめた映画「沈まぬ太陽」も「告白」も、いずれもその年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞している作品ではないか。ふだん、妻も私も「日本アカデミー賞だなんて、『戸越銀座』じゃあるまいし(この意味、わかるかな?)」などとバカにしていただけに、「日本アカデミー賞の最優秀作品賞だから面白いと思ったんじゃないの?」と思われると、すこし悔しい。
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