ああ!かりんとう饅頭
5月5日(木)
あれは今年の卒論提出日直前のことだったから、昨年の年末か、年明け頃のことである。
4年生のSさん(画伯、今年3月に卒業)が、卒論の下書きを持ってきた。添削のためである。
「先生、これどうぞ」
Sさんが卒論の下書きと一緒に差し出したのは、1個の饅頭だった。
「かりんとう饅頭です」
かりんとう饅頭?はじめて聞く饅頭である。たしかに表面は、かりんとうの色をしている。
添削が終わってSさんが帰ったあと、かりんとう饅頭を食べてみる。
これが、とても美味しい!表面の皮はかりんとうの食感と味、そして中は甘さを控えたこしあんである。
私は本来、かりんとうも饅頭も、自分から進んで食べる方ではないのだが、すっかりかりんとう饅頭の虜になってしまった。
だが、どこで売っているのかわからない。Sさんにも聞けずじまいだった。Sさんは福島県出身だったから、たぶん福島の銘菓なんだろう、という推測にとどまった。
さて、この5月の大型連休。車で東京まで帰省したときに、途中、栃木県のサービスエリアに立ち寄った。といっても、ほとんど福島県に近いサービスエリアである。
すると、屋台で「かりんとう饅頭」が売っているではないか!
さっそく1個を購入。保温をしていたので、温かくて美味しい。温めても美味しいことがわかった。
やはりかりんとう饅頭は、福島県の銘菓なのか。
さて、大型連休中、妻と車で長野県に行った。途中のサービスエリアで休憩すると、やはりそこにかりんとう饅頭が売られていた。
私はそこで2個買い、1個を妻にすすめた。
「かりんとう饅頭?何でわざわざかりんとうと饅頭を一緒にする必要があるの?かりんとうと饅頭を別々に食べた方がいいんじゃないの?」と、いつもながら妻が正論を吐く。
だが、味にうるさい妻にも、かりんとう饅頭は好評だった。
しかし、「かりんとう饅頭=福島県銘菓」説は、ここへきて揺らぎはじめた。長野県のサービスエリアでも売っているということは、全国の高速道路のサービスエリアで売っている、ということなのか?
もうひとつの特徴は、たとえば10個入りとか20個入りといった箱に入ったかりんとう饅頭はみあたらず、肉まんのように、保温箱に入って、ばら売りされているものしか見あたらないことである。たぶん、日持ちがしないからであろう。
そして今日。東京から車で戻る途中の、福島県内のサービスエリアで、かりんとう饅頭を発見。4個入りの箱に入っていた。
念のため表示を見ると、製造元は福島県である。やはり福島県の銘菓なのか?
家に戻り、インターネットで調べてみると、「主に福島県で販売されている饅頭菓子」とあった。福島県から火がつき、各地でも作られるようになったらしい。やはり、「かりんとう饅頭=福島県銘菓」説は、正しかったのだ。
というわけで、「かりんとう饅頭」ブームが到来した。もちろん、私に。
というか、世間的にはすでにブームが到来しているのだろうか?流行にうとい私には、よくわからない。
いずれにしても、福島県のかりんとう饅頭は、もっともっと知られてよい銘菓である。
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