気分は金田一探偵
6月5日(日)
昨日、結婚披露宴で、じつに久しぶりにお酒を飲んだ。
すっかりお酒に弱くなったみたいで、披露宴でビールのほかにグラスワイン(赤)を2杯、2次会ではハイボール2杯、3次会で焼酎のお湯わりを1杯飲んだだけで、すっかり酔ってしまった。
その上、披露宴ではスイーツのバイキングなるものがあり、甘いものを食べすぎた。
いくら健康診断が終わったとはいえ、これでは少し調子に乗りすぎである。
今日の午後は、ある方と、ちょっとした踏査の約束をしていた。「ある方」とは、数多くいらっしゃる「地元の老先生」のうちのお一人である。
県内の会社に勤めておられたが、定年退職後は、ご自身の好きな研究をすすめていらっしゃる。数年前に、研究会でご一緒してからのおつきあいである。
昨年の11月ごろ、「先日、山の中の石の祠を調査していたら、先生の研究に関係の深い資料が見つかりました」と、メールでご連絡いただいた。
お話をうかがうと、たしかに興味深い資料である。いちど、現地に行きたいと思いつつ、時間がとれず、そのままになっていた。
そして今日、その方のご案内で、簡単な踏査をすることになったのである。
車で登山道の入口までは15分、そこから登山道を歩いて10から15分くらい、というから、べつだん遠いところにあるわけではない。ただ案内がないと、1人ではなかなかたどり着けないところだという。
登山道の入口に車を置き、今は誰も使わないという旧登山道にはいる。
「いちおう、熊よけにラジオをつけましょう」その方は、携帯ラジオをつけた。
(熊が出るかも知れないのか…)私は急にビビッてしまった。
だが、そのラジオの音量が、とても小さいのである。
(あんなに音量が小さくて大丈夫かなあ。あれでは熊が聞こえないんじゃないか?もう少しボリュームを上げた方がいいんじゃないかなあ)
などと、例によって余計な心配をしながらも、道なき道を登っていく。
そしたら10分ほどで目的に着いた。「ここです」
目的の石の祠が、そこにあった。たしかにわかりにくい場所である。
祠に刻まれている文字をじっくりと観察する。
「これについて、地元には何か言い伝えはないのでしょうか」私が老先生に聞く。
「聞いてみたんですが、どうもよくわからないようです」
うーむ。ますますミステリーである。
少々イタい話だが、なんとなく金田一耕助探偵になった気分である。
「八つ墓村」で、金田一耕助探偵が、陰惨な伝説が残る村の八つ墓明神の石の祠を調査する場面。
「悪魔が来たりて笛を吹く」で、金田一耕助探偵が、石灯籠に刻まれた「悪魔ここに誕生す」の文字を発見して驚愕する場面。
そんな場面を思い出した。
「そろそろ下りましょう」
山道を下りて、車で町に戻った。
1時間半ほどで、ささやかな踏査が終了。
こんど、学生たちと一緒にあらためて訪れることにしようか。
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