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帰ってきたラムネ3兄弟

6月13日(月)

あの地震から3カ月がすぎた。

先週の金曜日、何人かの学生にある作業を手伝ってもらったときのことである。

作業が終わってから、手伝ってくれた学生のうちのひとり、2年生のNさんが帰り際に私のところにやってきた。Nさんは、この3月に卒業したNさん(天然)の妹である。Nさん(姉・天然)はいま、故郷のD市にもどって働いている。

「昨日、お姉ちゃんと電話で話したんですけど、うちのD市、超ヤバイかもしれないって言っていました」

顔もそっくりだが、口調までそっくりである。

そのあともNさん(姉)の近況報告をしてくれるのだが、どうもあまり要領を得ない。要領を得ないところも、姉にそっくりである。

「とりあえず、お姉ちゃんが先生に伝えてくれと言っていたので、先生に報告しました」

そう言って、Nさん(妹)は帰っていった。

さて、今朝。

こんどは、やはりこの3月に卒業し、故郷のN町につとめるKさんから携帯にメールが来た。近況報告である。

N町は、震災の影響で町全体が避難を余儀なくされ、Kさんもまた、別の自治体に置かれた職場で仕事をしている。

「またひとり暮らしをはじめて、3週間がたちました。昨日支援物資として大型家電が届き、ようやくまともな生活ができるようになりました」

やはりまだ、ままならない生活が続いているようである。

先週の金曜日にNさん(妹)から、Nさん(姉・天然)の話を聞いたばかりですよ、と返事を送ると、さっそく返事が来て、「みんなに会いたいです~」と前置きしたあと、

「先日、新人歓迎会でたまたま来賓としていらっしゃった方が、Nさんのお母さんの知り合いだということがわかって、共通の話題で話がはずみました」

と書いてあった。世間とは、本当に狭いものだ。

そして今日の夕方。

授業が終わり、研究室で今日の授業の整理をしていると、やはりこの3月に卒業したA君(元局長)が研究室にやってきた。

「近くで研修があったので寄りました」

と、なんと、お土産の御菓子をもってやってきた。

「私、こういう者です」と、ネクタイを締めたA君が、たぶん研修で教わったとおりの名刺の出し方をしたので、それが少し可笑しかった。立派な社会人になったじゃないか!

しかし、中身の方は、あまり変わらない。

下クチビルにビックリするくらいインパクトのある男性上司の話だとか、現在の勤務地で、地元の方とお話しする機会が多いのにもかかわらず、方言がきつくて何をしゃべっているのかまったく聞き取れない話、などを、面白可笑しく話してくれた。

はからずも、この2,3日で、みんながそれぞれの持ち場で頑張っていることを知ってホッとした。

この、いまの気持ちを忘れないようにしなければならない。

組織の中にいると、知らないうちに、組織の論理に染まり、感覚がマヒしてしまう。

だが、その組織というやつがくせ者でね。ちょっと油断すると、硬直化したり、事なかれ主義に陥って、あっというまに腐敗していく。

組織のトップが愚かだと、なおさらである。現場の人間が、必死に踏みとどまって頑張らざるをえないことは、この3カ月間のこの国の様子を見れば明らかである。

だから、現場にいるひとりひとりが、硬直化する組織に抵抗して、必死で踏みとどまらなければならないのだ。

…あ、これは、自分自身に言い聞かせている言葉である。いかんいかん。

…と、ここまで書いてきて、あることに気がついた。

Nさん、Kさん、A君。

この3人は、ちょうど1年前に私に毒ラムネを飲ませた、あの「ラムネ3兄弟」ではないか!

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