面接で絶対に緊張しない方法
6月8日(水)
今日は、久しぶりに会議のない、穏やかな午後である。
だがこういうときに限って、こまごまとした仕事にふりまわされたりする。そのうえ、プリンターの調子が悪くなって、悪戦苦闘したり。結局、穏やかな午後を棒に振ることになる。
ま、人生、そんなものだ。
夕方、就活中の4年生が研究室に来た。この時期、就活中の学生なら誰しも、精神的に追いつめられているものである。
何度も書くが、私に就活の相談をするということは、寅さんに恋愛の相談をすることと同じである。私には、就活の経験が全くないのだ。
だが、寅さんの恋愛指南がかなりの確率で実を結ぶように、私の就活指南も、あながち見当外れのものではない、と思う。
私は過去に次のような記事を書いている。
就活に悩む学生が、インターネットで「面接 短所」と検索すると、上の記事がヒットするらしい。で、かなりの人が上の記事を読んでいると見受けられる。ただしこれを読んで、参考になったのか、ならなかったのかは、まったく反響がないのでわからない。
今日の相談は、「面接で緊張しないためにはどうしたらいいでしょうか」というもの。
「面接の相手をこわがらずに、逆にこちらが面接の相手を評価するくらいの気持ちでのぞもう」
とか、
「質問をされたら、ひと呼吸おいてから話すようにしよう」
とか、
「いちばん大事なのは、人に対して関心を持つことである。目の前にいる人に関心を持って、『この人の話を聞きたい』という姿勢で面接担当者の話を聞けば、おのずとあなたに対する印象はよくなるものだ」
とか、
「『敵は怖い。誰だって怖い。だが、向こうだってこっちが怖いんだ』という、映画『七人の侍』の平八のセリフを思い出せ!」
とか、いろいろと言ったのだが、実際にはなかなか難しい。
「実は、絶対に緊張しない方法があります。これをすれば、絶対に緊張しない、という方法が」と私。
「何ですか?聞きたいです」と学生。
「本当にこれをすれば、どんな場合でも、絶対に緊張することはない!」
何度も強調して、私は続けた。
「手のひらに、『人』という字を3回書いて、それを大きく呑み込めば、絶対に緊張しません!」
ええぇぇっ!?
学生は拍子抜けしたようである。むかしからよく言われているベタなおまじないである。
でも、これには、ちゃんとした根拠がある。
まず、手のひらに「人」という字を3回書くというのは、どういうことか?
緊張のあまり、手先が震えるのを、こうすることによって落ち着かせるのである。
こんな話を聞いたことがあるだろう。
なぜ、救急車は119番で、警察は110番なのか?
むかし、まだ電話がダイヤル式だったころ、数字のところに指を入れてジーコジーコとまわすのだが、「9」や「0」は、ストロークがいちばん長い位置にあった。
どうも説明が難しいな。
ともかく、1、1とダイヤルを回して、最後に9や0を回すと、9や0はストロークが長いから、電話がつながるまでに、若干の時間的な余裕ができるのである。
そのあいだに、焦った気持ちを落ち着かせることができ、電話がつながったときに、落ち着いて状況を説明することができるようになる。だから、緊急電話の最後は、「9」や「0」なのである。
うーむ。ダイヤル式の電話を知らない世代の人に説明するのは難しい。
つまり、無理やりにそういう動作をすることで、気持ちを落ち着かせる環境をととのえるのである。
話をもとに戻そう。
では次に、なぜ「人」という字を呑み込むのか?
この動作は、いわば深呼吸を意味する。深呼吸をすれば、人間は、必ず落ち着くものである。
だが、面接の直前に、「深呼吸をしたら落ち着きますよ」といわれても、緊張していて、どうやって深呼吸をしたらいいかわからなくなるでしょう、たぶん。
だから、わざとこういう言い方をして、結果的に、深呼吸をさせるのです。こうすれば、深呼吸と意識することなしに、深呼吸することができるのだ。
まとめると、1.手のひらに「人」という字をゆっくりと3回書くことによって、緊張による手先の震えをおさえ、2.さらにそれを大きく呑み込むことによって、深呼吸をすることになり、結果的に気持ちがずいぶん落ち着くようになる。
どうです。合理的でしょう。先人の知恵は、合理的にできているのだ。
だから、面接の直前にこれをすれば、面接で緊張することなど絶対にありません。
「でも先生、私、それやってみたんですが、やっぱり緊張しました」と学生の反論。
「それは、信心が足りないからです!ちょっとでも疑いの心を持ってしまうと、効果はありませんよ。絶対に効果がある、と信じてやらないとダメです」
騙されたと思って、やってごらんなさい。
ちなみに私は、「全然止まらないしゃっくりを100%止める方法」というのも知っているのだが、それはまた別の機会に。
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