広げた蚊帳はたためない
7月11日(月)
朝から、原稿を書くぞ!と勇んで職場に行くが、なにしろ暑くて、何もできやしない。
ぐったりしたまま、午後、授業をしていると、雷が鳴り出し、大雨が降り出した。
今日は夕方から例の作業なのだが、これでは屋外での作業はとてもムリである。
ということで、急遽、建物の中で作業を行うことにした。
夕方5時、作業している部屋に行ってみると、すでに数人の学生が作業をはじめていた。看板もすでにできあがっている様子である。さすが、仕事が早い。
学生たちはすっかり手慣れた感じで、井戸端会議に花を咲かせている。
たしかに井戸端会議はストレスを解消する効果があると書いたが、それにしてはよく喋る。もう少し慎んでもいいんじゃないか、とも思ったが、仕事の手が止まっていないのがすごい。
携帯電話が鳴った。前の職場で同僚だったKさんからである。
「いま雨ですよね」
「ええ」
「今日の作業は中止ですか?」
「いえ、建物の中でやってます」
「それはよかった」
「…ひょっとして、こちらにいらっしゃるんですか?」
「まさか、50キロも離れているので行けませんよ。ちょっと心配になったもので電話したんです」
「それはどうも。おかげでうちでも無事にはじまりました」
前の職場では、Kさんの指揮の下、、数週間前からすでに作業がはじまっていた。うちの職場が、最も後発である。
「メールを読みましたが、うれしさが伝わってくる内容でした」
「そうですか」
「がんばってください」
「ありがとうございます」
Kさんはエールを送ってくれたのだな。気にかけていただいていることに感謝した。
作業している部屋に戻ると、少しずつ、人が増えてきた。総勢10名となり、先週の金曜日とほぼ同じ人数になった。
もうすぐ7時になろうか、というとき、卒業生のT君が息を切らせながら、部屋に入ってきた。
「蚊帳を買ってきました!蚊帳!」
居合いの胴着を着たT君は、片手に真剣、そして片手に蚊帳を持っていた。
「すいません。これから居合いの練習なんです」
そういうと、T君は新品の蚊帳を袋から出して広げだした。居合いの胴着を着て蚊帳を広げる姿は、なかなかシュールである。
人が2人くらい入ることができるくらいの大きさである。屋外作業中の虫対策は懸案事項だったが、これで少なくとも2人くらいは、虫に悩まされなくてすむ。
ただ残念なことに、今日は建物内での作業だったので、蚊帳の出番はなかった。
「残念だけど明日の作業で正式にお披露目した方がいいな」
ということで、蚊帳をたたむことにしたが、いったん広げてしまった蚊帳は、なかなかたためない。3人がかりで四苦八苦して、なんとかもとの通りにたたむことができた。たたみ方も、徐々に慣れていくだろう。
かくして午後7時、本日の作業は終了した。
| 固定リンク
「クリーニング作業」カテゴリの記事
- 足をまっすぐ伸ばして!(2021.11.14)
- 登場人物の多い一日(2015.03.16)
- ぜんぶ雪のせいだ!2日目(2014.02.16)
- ぜんぶ雪のせいだ!(2014.02.15)
- 心強い仲間たち(2013.10.26)
コメント