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孤独な夏祭り

8月5日(金)

今日から3日間、夏祭りである。

市内の目抜き通りを、地元の各種団体が踊りを踊りながらパレードする、というもの。数年前までは、ほとんど興味がなかったが、卒業生や学生など、知り合いが踊るようになってから、見に行くようになった。

昨年は学生に誘われて見に行ったが、今年は孤独に見に行くことにする。今年の夏祭りでは、この3月に卒業したSさん(リーダー)や、3年生のN君が踊るはずである。Sさんは、この4月からうちの職場の職員になり、今回は職員として職場の団体に参加する。N君は、大学の夏祭りサークルの会長である。

考えてみれば、おっさんが一人で夏祭りに行くことほど淋しいことはない。

家からとぼとぼと歩き、パレードが行われている目抜き通りに到着。しばらく沿道を歩いていると、うちの職場の部局長であるW先生と出くわした。

「病院の帰りにちょっと立ち寄ったんです。うちの職場の踊りがもうすぐ見られるんじゃないかと思って」とW先生。

「今年はお出にならないんですか?」と私。うちの職場も、この夏祭りに毎年参加しており、部局長は立場上、踊りを踊らなければならなかったはずである。

「昨年、タバコをやめてから6キロ太りましてねえ。身体がきつくて、今年は遠慮したんです」たしかに、長時間踊り続けるのは、身体にこたえるのだろう。

考えてみれば、W先生もひとりで夏祭りを見にきた孤独なおっさんである。

孤独なおっさん同士、夏祭りを見ているのがだんだんいたたまれなくなってきた。

1 そのうち、うちの職場の一行が踊りを踊りながらこちらに向かってくる。

「いよいよですね」と言ったとたん、音楽が止まった。小休止の時間である。

よりによって、私の目の前で踊りが止まってしまうとは。

音楽が止まって小休止の時間になると、前の団体とを間隔をつめるために、みんなが前の方に走り出してしまう。うちの職場の職員たちは、ササッと私の前を走りすぎていった。

これはいかん。これでは何のために見に来たかわからんではないか、と、あわてて沿道を併走する。

すると、卒業生のSさん(リーダー)が、私に気がついたらしく、手を振ってくれた。そして私のところに駆けよって、うちわをくれ、すばやく列に戻った。

こんな人混みの中で、よく気がついたもんだ。

再び音楽が鳴り、踊りが再開された。踊っている様子を一生懸命写真におさめようとしたが、なかなかうまくいかなかった。

2 しばらくすると、今度は市内の某企業の踊りが見えてきた。この会社には、この6月に結婚したばかりの、卒業生のIさんが勤めている。

するとまた音楽が止まり、小休止の時間となった。Iさんの姿が見えたので、「Iさん!」と声をかけると、Iさんがこちらに気がついた。

「先日はありがとうございました」とIさん。「先生のブログ読みました」

「ええぇぇ!読んだの?!」

同期の江戸川君から聞いたのだろうが、そのこと自体は問題ではない。

話せば長くなるが、先日、「場違いな会合」で講話をした話を書いた。

実はそのきっかけとなったのが、Iさんであった。Iさんの結婚式の時に読まれた私のサプライズメッセージを、披露宴に出席されていたIさんの会社の上司のTさんがたまたま聞いて、私に講話の依頼をしようと思われたらしい。

つまり、私に講話の依頼をされたTさんというのは、Iさんの会社の上司なのである。

ひょっとしてTさんも、私のあの「屈折した文章」をお読みになったのだろうか?だとしたら気を悪くされたのではないか…、という妄想にとらわれ、私は急に心配になった。やはり、迂闊なことを書くものではない。

「支店長も一緒に踊ってるんですよ」とIさん。「支店長!支店長!先生です」Iさんが上司のTさんを呼んだ。

Tさんが私に気づくと、「この間はどうもありがとうございました。この間のお話、たいへん好評でした」とおっしゃっていただく。どこまでも実直な方である。

「こちらこそありがとうございました」私は、ひたすら恐縮するばかりであった。

ここでどっと疲れが出て、お腹が空いたので、豚の串焼きと生ビールを買うことにした。おっさんがひとりで、豚の串焼きと生ビールを買うほど切ないものはない。

3 ほどなくすると、うちの職場の学生サークルの踊りが見えてきた。あわててビールを飲みほし、踊りを見ることにする。

この夏祭りサークルの踊りは、いつ見ても美しく、潔い。

踊りに見とれていると、列の最後の方で、3年生のN君が、大きな傘をふりまわしながら、一心不乱に踊っていた。

その姿を確認して、私は夏祭り会場をあとにした。

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コメント

先日はありがとうございました!ご心配されているようなので初めにお伝えしておきますが、支店長はこのブログの内容は一切知りません。そして話は変わりますが、支店長はじめ、運転手さん、プロジェクターの件でお世話になったK次長、みんな先生のことを「なんて良い先生なんだ!」と、先生の人柄を大変誉めていました。わたしはとても嬉しかったです(^^)会合には、学長・前学長もいらっしゃったようで…。支店長は「わたしにとったら会長と社長の前で話をするのと同じことなので、先生には大変な思いをさせてしまった…。」と言っていました。それでも嫌な顔ひとつせず、快く引き受けて頂いてありがとうございました。わたしはこれからも仕事は続けるつもりでいまして、続けるかぎりは毎年花笠を踊ります!また来年も是非見に来て下さいね。そして、沿道から声をかけてください(^-^)

投稿: I | 2011年8月 6日 (土) 02時26分

そうですか。安心しました(笑)。私こそ、支店長をはじめ、会社の皆様にはとてもよくしていただきました。ありがとうございました。これからもずっとお仕事を続けていかれるよう、祈念しております。

投稿: onigawaragonzou | 2011年8月 6日 (土) 22時00分

 そういえば夏祭りの季節だった。久しぶりにねぶたでも見に行くか。

 こういう思いつきの旅ができるのも、まだ若い証拠だ。時間がないから全行程、新幹線でいいや。大名旅行だね。

 駅までは自転車に乗って行こう。よいしょ、よいしょ。50円払って預けてと。

 んん、自転車漕いで来たからか、社会の窓が開いてるや。ファスナーを上げてっと。
 あら、ファスナー上げたのに閉まってない。もう一度...
 ええっ、ファスナーがバカになって外れているぞ。もう列車来ちゃうし、どうしよう。

 おっさんが一人で夏祭りに行くことは決して淋しいことではない。ただし、半ズボンの前を安全ピン3つで止めて、北に旅立つ場合を除いての話であるが。

投稿: こぶぎ | 2011年8月 9日 (火) 00時55分

「ちょい悪オヤジ」ならぬ「ポンコツオヤジ」への道、まっしぐらですな(笑)。

投稿: onigawaragonzou | 2011年8月 9日 (火) 23時35分

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