ちょっとだけふり返る、夏
8月12日(金)
2週間遅れてはじまった前期の授業が、今日でようやく終了である。
といっても、まだ成績評価という重い仕事が残っていて、なかなか解放感に浸れない。それに、不愉快なことや、心配事も尽きない。
しかし、そんなことばかり思っていても仕方がない。ここはひとつ、いいことだけを考えよう。
というわけで、ちょっとだけ、前期の出来事をふり返ることにする。
5月半ばからはじめた、「津波で被災した資料のクリーニング作業」は、もともと世話人代表のKさんの呼びかけではじまったものである。
最初、このブログにはその作業のことを書かないつもりでいたのだが、私の日常生活の中で占める割合がだんだんと大きくなっていき、書かずにはいられなくなった。むしろこの作業の様子を、私なりの目線で描いてみたい、と強く思うようになったのである。そう、ちょうど、韓国留学中の語学学校の様子を私なりの目線で描いてみたい、と強く思ったのと同じように。
ただそのせいで、無許可でここに登場させてしまった関係者には、いたくご迷惑をおかけしたのではないかと恐れる。不愉快な思いをさせてしまったらごめんなさい。
「丘の上の作業場」に集まってくる人たちは、みな、いい人ばかりである。それぞれが、自分の持ち場で、やれることをやる、という気持ちに撤している。何より誰も偉ぶらないところがすばらしい。「偉ぶる人」が大の苦手な私が、この場所を居心地良く感じるのも、そのおかげである。
集まるべくして集まった人たちなんだな、と思う。
週2回、「丘の上の作業場」に通って、他愛もない話をしながら作業を進めていくうちに、自然と信頼関係が生まれてくる。職業や年齢を超えて、である。ふらっとやってくる人も、なぜか自然にとけ込んでゆく。それもまたいい。
集まる年代は、おもに20代から40代。私は最年長の部類に属するが、とくに20代の学生や社会人の人たちが、継続的に参加しているのは、何より心強い。
3カ月近く続けてみて、参加する人たちの雰囲気は「あったまって」いき、ひとつの形になりつつある。「組織が育つ」というのは、なるほどこういうことをいうのか、と実感する。
7月の終わりにバーベキューをした日のことである。
世話人代表のKさん。
「丘の上の作業場」の総責任者のYさん。
「中堅・若手社会人チーム」のMさん。
私を含めて、ほぼ同世代のいい年齢のオジサンが、若者たちにまじってビールを飲んでいた。
「オッサン4人で写真を撮りましょう」私が提案する。
「それはいいですねえ。ふつうだったら、この4人が顔を合わせることなんてありませんよ」とMさんが言った。
たしかに4人は、職場も違えば、専門分野も違う。この作業がなければ、こんなに頻繁に顔を合わせることもなかっただろう。
「貴重な写真になりますね」
写真に写るのが苦手だという世話人代表のKさんも、この時ばかりは写真に入る。
パシャッ!
うーん。4人とも、たんなる酒飲みのオッサンだが、いい表情をしている。お見せできないのが残念だが。
さて、夏休みをはさんで、今後この活動はどうなっていくのか。できればこのまま、この雰囲気で続いていってほしい。
というわけで、ブログのカテゴリーに「クリーニング作業」というのを新たに設けました。これからもこの作業が続くことを願って。
これからも、学生のみなさんの参加を、心よりお待ちしています。
ではよい夏休みを!
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