女子マラソンに釘付け
8月27日(土)
朝起きたら、テレビで「世界陸上2011」の女子マラソンをやっていた。
見ていて、テレビに釘付けになった。
選手たちにではない。選手たちが走っているまわりの風景に、である。
私がかつて1年3カ月ほど住んでいた、韓国・大邱市の市街地がコースになっている。
ふだんスポーツ番組は、ワールドカップはおろか、オリンピックすらも見ない。その私が、今日ばかりは、2時間以上もマラソンを見つづけている。
ずっと風景を追いかけていると、見なれた景色が見えてきた。
私が休みの日のたびにブラブラ歩いていた、大邱の中心街、「中央路(チュンワンノ)」の町並みである。中央路は、女子マラソンのコースになっていたのだ。
選手たちの足並みにあわせて、沿道の風景がどんどん流れていく。
(あのスタバによく行ったっけな…。あ、隣のロッテリアにもよく行ったぞ。あのパン屋さんでパンを買ったなあ。あ、家に帰る時に使っていたバス停だ!)
流れていく沿道の風景は一瞬しか映らず、しかも町並みにさしたる特徴があるわけでもない。しかし、私にとっては、とても意味のある風景なのだ。
(それにしても町がずいぶん綺麗になったなあ)
そんなことを思いながら見ていくと、やがて見なれた大きな建物が一瞬見えた。
「アカデミー劇場」だ!大邱の中央路に昔からある映画館である。
私は映画を見るとき、中央路にあるこの「アカデミー劇場」で映画を見ることにしていた。時代はシネコン全盛で、すっかりシネコンに押されてしまっていたが、逆にお客さんが少ないので、落ちついて見ることができたのである。落ち込んだときに、この映画館で映画を見て、気持ちが救われたこともある。
ところがその「アカデミー劇場」も、私が大邱を離れることには、客の入りが悪くて閉館になってしまったと聞いた。
だが建物はそのままだった。
そんな感慨にひたりながらの、2時間半。マラソンには、いろいろな楽しみ方があっていい。
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