続・携帯電話の文化論
10月14日(金)
さて、そのシンポジウムでの出来事。
各人の発表が終わり、後半は発表者や討論者が壇上にならんで、討論をすることになっていた。
私の席は、客席から向かって右から二番目の席である。一番右の席、つまり私の左隣の席には、今回の一連の行事の主催者の1人であるイさんが座っている。イさんは、私とほぼ同世代の研究者であり、彼とは長いつきあいである。
イさんは、今回の一連の行事の一切をとりしきりながら、かつ、シンポジウムの発表者(パネラー)としても名を連ねていた。ふつうはこういった場合、裏方の仕事が忙しいので、同時に研究発表をすることなど不可能なのだが、直前になって韓国側の発表予定者がキャンセルとなったので、急遽、イさんが代打をつとめることになったのである。それでなくても今回の一連の行事で忙殺されているイさんにとっては、かなりの負担である。
(ちなみにこういうシンポジウムの場合、韓国側と日本側で、発表者の人数を同数にしなければならない。今回は、両国から3人ずつ発表者を出すことになっていて、韓国側で発表者が1人キャンセルした場合、人数合わせのために必ず誰か代打を立てなければならないのである)。
さて、シンポジウムの討論も中盤にさしかかったころ、驚くべきことが起こった。
壇上では熱心な討論が続いている。
ふと気がつくと、私の左隣に座っているイさんが、身をかがめている。
何をしているんだろう?と、イさんの方をチラッと見て驚いた。
なんと、携帯電話で誰かと通話しているではないか!
ええええぇぇぇぇぇっ!!!
しかも、声を出さずに、ヒソヒソ声で通話しているぞ。
というか、そんなヒソヒソ声で話を聞かされてる相手も、「すいません、あとでかけ直します」とか、「シンポジウムが終わってから電話ください」とか、言わないのだろうか??
いくらイさんが忙しいからといって、シンポジウムの真っ最中に、パネラーとして座っている壇上で、携帯電話で通話することはないだろうに。
なにより、壇上で身をかがめてヒソヒソ声で電話している姿は、どう考えても客席から見て目立っている。
以前、韓国滞在中に、韓国人の携帯電話文化について書いたことがあるが、この一件は、それを上回る驚きである。
韓国の映画ではよく、刑事に追いかけられて全力疾走している犯人が、かかってきた携帯電話に出て、走りながら通話する、なんていう場面がよく見られる。
そう考えると、どんな場合でも携帯電話の通話が優先されるのかも知れない。
果たして「携帯電話が鳴っても出られない状況」は、存在するのか?
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