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きっぷの買い方教えます

10月27日(木)、実習2日目。

私が極度の心配性だ、ということと、基本的に他人を信用しない性格なので、この実習では、宿の手配から、各所でのお金の支払いに至るまで、すべて私がひとりで行っている。

勉強のためにも、少しは学生に任せた方がいいのではいいのではないか、と思われるかも知れないが、性分なのだから仕方がない。

だから宿で支払いをするときも、少し恥ずかしい思いをする。

「センセ!学生がやらんと、センセが全部やらはるんですか!」と、宿のおじさん。

「はい」

「へぇぇ、近頃のセンセはタイヘンですねえ。ワタシらの頃なんか、学生が全部準備して、センセにはただ来ていただく、てなもんでしたケドね」

「近頃はそういうわけにもいかないんです」

「へぇぇぇ、ホンマタイヘンやなあ」

まさか、極度の心配性なもので、とはいえない。

恥ずかしい思いといえば、もうひとつある。

それは、実習の2日目、奈良での見学を終えて京都の宿に向かうときに、近鉄奈良駅の切符売場の前で、大声で切符の買い方を学生たちに説明しなければならないことである。

多くの学生が、「会社の違う私鉄を乗りつぐ」という経験をしていないと思われるため、自販機で間違いのないように切符を買うように、最初にしっかりとレクチャーしなければならないのである。

それも、会社帰りの人たちでごった返す夕方の時間に、である。

まず、切符の自販機の前に13人の学生を集め、大声で説明する。

「いいですかぁ、みなさん!これから切符の買い方を説明しま~す!」

これだけでもすでに恥ずかしい。行き交う人びとは、「なんだ、切符の買い方も知らないのか」と、私たちの方を振り返るのである。

「買い方を間違えたら、大変なことになりますから、注意してくださいよ~」

学生たちはその言葉に反応して、真剣な眼差しに変わる。

「まず、画面の端にある『連絡きっぷ』というボタンを押します!」

「れんらくきっぷ…」学生たちが小声で復唱する。

「押すと画面が変わりますから、次に『近鉄丹波橋のりかえ』というボタンを押します!」

「きんてつたんばばしのりかえ…」

「するとまた画面が変わりますから、『860円』というボタンを押します」

「はっぴゃくろくじゅうえん…」

「わかりましたかぁ?『連絡きっぷ』『近鉄丹波橋のりかえ』『860円』の順ですよー」

「はーい」

帰宅ラッシュでごった返す駅の改札付近でこれをやるのは、かなり恥ずかしいのだが、もはや私の中では風物詩となっている。

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コメント

 はーい、みなさん。それでは地下鉄の切符の買い方を教えますからね。この券売機のタッチ画面の下の方に「日本語」って書いてあるでしょ。ここを押せば日本語で買えます。さすがIT先進国ですね。それじゃ、景福宮(キョンボッグン)まで、各自で買ってみましょう。あと、目的地について改札を出たら、回収機に切符を入れるとお金が戻って来ますから、忘れないでね。

 えっ、分からないって? だから、日本語にすればいいんだって(実は紙の切符が「1回用T-money」に切り替わってからまだ切符を買ったことがないので、自分もよく分かってない)... ありゃりゃ、目的地の選択画面で、駅名が全部ローマ字表記だ。「きょんぼっぐん」て、Kから始まるんだっけ、Gだっけ? 中国語に切り替えれば漢字が出るかも...切り替えてみよっと。あらら、やはりローマ字。ええい、じゃ僕がやりますから(結局ハングルに切り替えて)。ポチポチと、ほら、すぐこれだ、3文字だから見つかるでしょ(結局、何の教育にもなっていない)。

 学生が見つけたことには、なんか日本語画面では、駅番号を入力するのが一番簡単な買い方のようです。しかし昔は千ウォン札一枚を窓口に出せば、ポーンと黄色い切符を投げてくれたのにねえ。

投稿: こぶぎ | 2011年10月30日 (日) 16時46分

ほんと、便利になったようで、暮らしづらい世の中になったものですねえ。

投稿: onigawaragonzou | 2011年10月30日 (日) 23時58分

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