代官山デビュー
10月9日(日)
前日の晩、東京の家に到着。
またいつものように3連休を何もせずに終わってしまってはいかんと思い、今日は思いきって代官山に行くことにした。
「なぜ代官山?」と妻は驚いた様子。
そりゃあそうだ。代官山といえば、オシャレな町である。私とはまったく縁がない。行く必然性がないのである。
私の好きなドラマのひとつに、子どものころにやっていた「ちょっとマイウェイ」というドラマがあって、たしかその舞台となった町が代官山であった。ただし、代官山でロケをしたというわけではなく、スタジオのセットで撮られたドラマだった。
私の代官山知識は、そのていどのものである。
ではなぜ行こうと思ったのか?
それは、私がいま少し関わっている被災資料救済活動に関する展示が行われる、と、先日ある方から聞いたからである。
「ちょうどいまの時期に東京で展示が行われています」
「どこでですか?」
「よくわかりません。たしか代々木だとか…、なんかそんな感じのところです」
たったこれだけのあやふやな情報である。
だがインターネットとは便利なもので、断片的な手がかりをもとに調べてみると、なんとその展示は、「代々木」ではなく「代官山」で行われていることが判明した。
「代」の字が共通していたので、その方が勘違いされたのだろう。あやうく代々木をさまようところだった。
バスと電車を乗りついで、代官山に向かう。はじめての代官山である。
代官山駅に着くと、噂には聞いていたが、道行く人がみんなオシャレである。
道行く人たちばかりではない、その人たちが連れている犬も、着ている服がビックリするほどオシャレである。
「ちょっとちょっと…。あの犬の着ている服、絶対ブランド物だよ。私たちが着ている服よりきっと高いよ」
「ほんとだ」
私たちは、わずか数分で、オシャレな代官山に完全にやられてしまったのである。
展示が行われているという建物に到着。この建物も、とてもオシャレである。というか、町全体がオシャレなのだ。
それにしてもなぜ、こんなオシャレな場所で、こんな地味でまじめな展示をしているのだろう、と、ちょっと不思議な感じになる。もちろん、こういう場所でやることは、とてもいいことだとは思う。
展示自体は、とてもよいものだった。自分も少しだけ関わっているだけに、思いもひとしおである。
じっくり見ながら、妻にあれこれと説明していると、横の方に、熱心に見ている紳士風のおじさんがいた。
その紳士風のおじさんの格好を見て驚いた。
50代半ば くらいの、ロマンスグレーでスラッとした紳士なのだが、タキシードを着て、顔には、仮面舞踏会でよくつかう、仮面(マスク)をつけているではないか!(写真は資料画像)
思わず、コントでいうところの「二度見」をしてしまった。
その紳士風のおじさんは、仮面舞踏会などでつかう華やかな仮面(マスク)をつけながら、その地味でまじめな展示を熱心に見ていたのである!決しておふざけではなく、である。
いったいどういうわけで、そのような格好でこの展示を見ているのだろう。仮面舞踏会を途中で抜け出して見に来たとしか考えられない。
建物の外に出て、まわりをキョロキョロと見渡すが、仮面舞踏会をやっている様子もない。あるいは、どこか秘密の場所で、仮面舞踏会が行われているのか?
それとも、日曜日の昼下がり、ジャージではなく、タキシードを着て仮面舞踏会でつかう仮面(マスク)をつけて町を歩くのが、代官山の休日のお父さんのスタイルなのか?
謎は深まるばかりである。
うーむ。代官山は奥が深い。私の手にはおえないほどのオシャレな町である。
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コメント
昨日、久しぶりに原宿へ行ってきました。山田邦子の店も、たけしのカレー屋もなくなっちゃったなあ、と感慨に浸りながら歩いていると、なんと、向こうから、例の「仮面舞踏会」の仮面をつけた男が歩いて来るではありませんか。男はビジュアルバンド系の黒ずくめの服装で、ゴスロリファッションの彼女をご同伴の様子。もはや東京では「仮面の男」が流行っていることは間違いありません。
ちなみに竹下通りをさらに歩くと、とある店のショーウィンドーに、金ラメのタキシードに仮面舞踏会マスク、といった出で立ちのマネキンが多数飾ってありました。頭に羽根まで付けていて、「マツケンサンバ」の扮装に近いとも言えますが、もしお買い求めになりたい際には、ぜひ。
投稿: こぶぎ | 2011年10月17日 (月) 17時23分
なるほど、東京の中でも、オシャレな町とか流行の先端を行く町では、ふつうに仮面舞踏会の仮面をつけて歩くのが日常化しているというわけですね。勉強になります。
投稿: onigawaragonzou | 2011年10月17日 (月) 23時50分