サバイバルクイズの挫折
10月26日(水)
恒例の、秋の実習である。
実習前日、例によって右膝が痛み出した。
(よりによってこんな時に…)
もし明日以降、激痛が走るようになったら、アウトである。
アサイチの授業を終えてすぐ、かかりつけの病院に行き、薬をもらった。
あとは実習中、右膝の爆弾が爆発しないことを祈るばかりである。
さて、実習初日。例年と同様、朝9時に飛鳥駅に現地集合である。
学生たちがあまりにルンルン気分(死語か?)なのが、なんとなく面白くない。
これは実習である!少しでも多くのことを学んでもらいたい。ここは少し、キビしく接した方がいいのではないか。
そこで学生たちに提案する。
「むかし、『アメリカ横断ウルトラクイズ』っていうクイズ番組があったの、知ってる?」
「何です?それ」
「アメリカを横断しながら、土地土地でクイズを出していって、クイズに答えられなかった人が、その時点で日本に帰らなきゃいけない、ていう番組。で、クイズに勝ち残って、ニューヨークまで行けた人が優勝するんだ」
「へえ」
「この実習でも、それをやりましょうか」
「どういうことです?」
「つまり私が見学場所に関するクイズを出していって、それに答えられなければ、その時点で実習から脱落して、地元に帰らなければならない」
「ええぇぇぇぇ!そんなのイヤですよ」
当然の反応である。
実習初日は、飛鳥駅で自転車を借り、明日香村一帯をまわる、という行程である。
「鬼の雪隠」というところで、試しにクイズを出してみた。
「さて、ここで問題です。答えられないと飛鳥駅に戻ってもらいますよ」
一瞬、学生たちに緊張が走った。
「さてこの『鬼の雪隠』、もともとは何だったでしょうか?」
「すいません先生!」
「何ですか?」
「『雪隠』って、どういう意味ですか」
ええええぇぇぇぇぇっ!そこから説明しなきゃいけないのか!?
「雪隠とは、トイレのことです」
「トイレのことを雪隠というんですか!」
「そうです。さあ、答えてください」
「すいません。わかりません」
ほぼ全員が、答えられなかった。
これでは、『ウルトラクイズ』は成立しない。
ということで、この企画は即刻中止となったのであった。
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