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3次会な日々・その2

11月12日(日)

地元の研究会で、研究発表をした。

例によって、発表のあとは軽く死にたくなる感じになったのだが、嘆いていても仕方がない。

夕方、研究会が終わり、地元の老先生方と一緒に1次会に参加する。

1次会がおわり、老先生お二人と、私を含めた同世代の男性4人の、計6人で、2次会に行くことになった。地酒が飲める居酒屋である。

私と同世代の3人の方は、これまでほとんどおつきあいがなく、気心の知れた関係、というまでには至っていない。

いろいろ話していくと、Sさんは私と同い年、Aさんは少し上、Hさんは少し下、ということが判明した。いずれにしても同世代である。この中で、SさんとAさんは昔からの友人で、よく一緒に飲みに行っているという。

「そうですか。私と同い年ですか」とSさん。「じゃあ、一緒にガンダム・トークができますね」

「何ですか?ガンダム・トークって」

「Aさんと2人で飲むときには、いつもガンダム・トークをしているんですよ。だって、われわれ、ガンダム世代じゃないですか」

「はあ」

「そうだ!3次会は、いつも行くショットバーでガンダム・トークをしましょう。ぼくら、いつもそこでガンダム・トークをしているんです」

さあ困った。じつは私は、子どものころに『機動戦士ガンダム』を一度も見たことがない。だから、ガンダムについては、まったく知識がないのだ。

(困ったなあ。これでは話の合わせようもない)

もともと座持ちが悪い上に、話を合わせることができないとなると、もうどうしていいかわからなくなる。

といって、「ガンダムをまったく知りません」とカミングアウトするのも恥ずかしい。

やがて、老先生お二人がお帰りになった。

「さあ、残っているお酒を飲み終えたら、場所を変えてガンダム・トークをしましょう!」とSさん。

これはまずい。勇気を持って言うことにした。

「あのう、…じつは私、ガンダムを見たことがないんです」

「え?でもぼくらの世代って言ったら、ガンダムでしょう?」

「はぁ。でも、なぜか私は、ガンダムにまったくハマらなかったんです」

顔から火が出るようなカミングアウトである。

「え?え?じゃあ、当時は何を見ていたんですか?○○ですか?××ですか?」と、今度はAさんが私に聞くのだが、その「○○」とか「××」というアニメのタイトルが、マニアックすぎて私にはわからない。

「いえ…、それも見ていません」

「わかった!勉強ばっかりしていたんでしょう!」とSさん。「これだから困っちゃうよなあ」

「いいえ。そういうわけでは…」

まさか、「横溝正史シリーズ」とか「特捜最前線」にハマってました、とは言いづらい。

「地味な話ですけど、私は意外と『ああ三河島・幻の鯉のぼり!』が好きなんです」

とか、

「『裸の街Ⅱ・最後の刑事!』は、北林谷栄、大滝秀治、日色ともゑという『劇団民藝』の3人による夢の顔合わせでしたな」

といった話だったら、いくらでもできるのだが。

すると今度はHさんが、

「じつは私も、ガンダムを一度も見たことがないんです」

なんと、同じ「ガンダム世代」のHさんもカミングアウトしたぞ!これは心強い。

(よかったあ。俺だけじゃなかったんだ)

「それはじつに勿体ない話です」とAさん。「ぜひ一度、第1話を見てみてください。絶対にのめり込みますから」

「はぁ、そうですか…」

そういえば、似たようなことをつい最近も言われたような気が…。

思い出した!以前学生に、

「『ワンピース』は絶対読んだ方がいいですよ!あれを読むと人生のすべてが学べます」

と言われたっけなあ。

ということで、3次会は、SさんとAさんが気を遣ってガンダム・トークを封印してくださった。

せっかくのガンダム・トークの機会を奪ってしまって申し訳ないことをしたなあ、とひどく落ち込んだ。

私のこの「座持ちの悪さ」は、なんとかならないものか。

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コメント

夜のポケットトーク集
(ガンダム編)

あなた 「実は隣県のS市にガンダムバーがあるんですよ」
セーラ 「そうなの? 一度、君と行ってあげてもいいわ」
あなた 「一体、市内のどのあたりにあると思いますか?」
ララァ 「(瞑想して)私には見える。K分町ですね」
あなた 「ぶっぶー。実は青葉区にあるんですよ。その理由はなぜか分かります?」
ミライ 「いいえ、分からないわ」
あなたこと「シャー・鬼瓦」 「「ア・バオア・クー」にあるのさ、ガンダムだけに」
一同 「(爆笑)」

このスキットさえ暗記していれば、もうガンダムトークも怖くありませんぜ。


 ちなみに、昨晩の飯の席で、K・F先生に珠玉のガンダム語録を投げかけてみたところ、全くリアクションがなく、結局「600 こちら情報部」の話で盛り上がりましたとさ。


(おまけ)

「みあね... あじく なえぬん とらがてぃえぬんごっし いっぬんじ... いごぽだ のむな きっぷんこどぅん おんぬんじ.... たんしんど けんちゃぬんげっちょ、なぬん ららぁる おんじぇな まんなるす いっけ...」

(ごめんよ... まだ、僕には帰れるところがあるんだ... こんなに嬉しいことはない... 分かってくれるよね、ララァには、いつでも会いに行けるから...)

うう、韓訳すると、韓流ドラマのクサイ台詞みたいで、より感動 ㅠㅠ

投稿: 赤いこぶぎ(三倍速い) | 2011年11月15日 (火) 03時23分

うーむ。全くわからん。「600こちら情報部」なら、実家に帰れば司会のシカノコウシロウさんとオビジュンコさんのサイン色紙がまだあると思うんだが。小学生の時、サイン会に行ったから。

投稿: onigawaragonzou | 2011年11月15日 (火) 22時41分

 わたくしめも、ガンダム知識は社交辞令程度でございまして、ちょっと若い世代の先生に「ドラゴンボール」ネタでギャクを言われても、もはや返す力もございません。
 隣県のS市の青葉区には、本当に、ガンダムバーがジオン軍と連邦軍の2店に分かれてありますので、一度勉強に行かれるとよいかもしれません。

 たしか、投稿したかロケを見に行ったかで、600の手帳をもらった気がするのですが、どこにいったやら。

投稿: こぶぎ | 2011年11月24日 (木) 02時48分

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