年賀状の憂鬱
12月30日(金)
年末でいちばん憂鬱なのが、年賀状作りである。
今年は29日まで仕事が立て込んでいたため、年賀状作りが30日になってしまった。
妻の実家にある年賀状作成ソフトで作成し、送付先を確認しながら、インクジェットのプリンタで1枚1枚印刷していく。200枚もあるから、これがかなり時間がかかる。
おもに妻がデザインを考え、私は印刷担当である。
「インクジェットのプリンタなので、印字された年賀状を重ねたらダメ。インクがにじまないように、しばらく1枚1枚を乾かすように」と、妻に言われた。
言われたとおりに、1枚1枚プリントアウトされてくる年賀状をとりだし、重ならないように部屋の床に並べていくことにした。
しばらくして、妻が部屋に入ってきた。大きなため息をついて言った。
「まったく、計画性がない並べ方だねえ」
「え?」
「そんなに1枚1枚の間隔をあけて並べたら、たちまち床一面が年賀状でいっぱいになるでしょう。200枚あることを考えれば、もっと間隔をつめて並べなきゃダメでしょう」
そして、「私だったらこうする」と言って、私が並べたよりも、間隔をつめて、きれいに並べなおしたのである。
「こういう、後先を考えずに年賀状を並べるような人は、決してお金なんか貯まらないね」
なんと、妻は年賀状の並べ方ひとつで、私を「計画性のないお金の使い方をする人間」と決めつけたのである。すいぶんな言われようである。
妻が部屋から出ていき、今度は妻の並べたとおりに、印字された年賀状を並べていく。
部屋の床が年賀状でいっぱいになったころ、今度は妻の妹が部屋に来た。
「何してるんです?」
「いや、その…、年賀状のインクが別の年賀状につかないように、1枚1枚並べて乾かしているんだ」
「あのう…、最新のインクジェットのプリンタは、乾かさなくても大丈夫なんですよ」
「え?」
「ですから、最新のインクジェットのプリンタは、プリントアウトしたものを乾かさなくても大丈夫なんですよ」
義妹は噛んで含めるように私に言った。
「そうなの?ということは、重ねたままでも大丈夫ってこと?」
「そうですよ。むかしの『いも版』じゃないんですから」
なんだよ!これではまるで、「いも版やプリントゴッコ世代のオッサンが、最新のプリンタ事情も知らずに、必要もないのに年賀状を乾かしていた」ことになるではないか!
まったく、妻には年賀状の並べ方で「金運がない」とののしられるし、義妹には「最新の技術に乗り遅れているオッサン」だと思われるし、もう散々である。
だから、年賀状作りは憂鬱なのだ。
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