瓢箪からBMK
韓国KBS放送の人気番組「不朽の名曲2」は、K-POPアイドル歌手が、かつて韓国で一世を風靡した「伝説の歌手」の歌を、それぞれの個性に合わせてアレンジして歌い、優劣を競うという歌番組である。
要は、アイドル歌手が懐メロを歌って、誰がいちばん上手かったかを競う番組なのである。
K-POPアイドルの、歌やダンスに対するプロ意識がかいま見られて、とても面白い。そして司会のキム・グラの毒舌が冴えわたる。
おかげで、Sisterのヒョリンとか、2AMのチャンミンとか、MBLAQのジオとか、4minuteのジユンとか、覚えたぞ。
あるとき、番組の中で、アイドルと実力派歌手がデュエットして、その優劣を競うという企画があった。実力派歌手、というのは、当然、アイドルよりも年上のベテランである。
2PMの人と、「ソウルの女王」と呼ばれている歌手のデュエットが、とてもよかった。若い男性と、少し年上の女性の情熱的なデュエットは、歌の内容とも相まって、それはそれはすばらしいものだった。
昨年、韓国に行ったおりに、その「ソウルの女王」のCDを買おうと思ったが、名前が思い出せない。
ふと見ると、「BMK」という女性歌手の「Soul Food」というアルバムがあった。ジャケットは、BMKの横顔をデザインしている。
(この人だな。テレビで見たことある人だし。しかも「ソウルの女王」っぽいし)
と思ってさっそく購入した。
日本に戻って聞いてみると、これがすげーいい。
とくに、「花咲く春が来れば」という曲と、「後ろ姿」という曲がいい。
新幹線の中でiPodで聞いていたら、魂のこもった歌声に涙が止まらなくなった。
ほとんど号泣である。
(ええなあ…)
それからというもの、この人の歌を聴くたびに号泣である。
妻にすすめたら、例によって「ふーん」という反応。
「この『花咲く春が来れば』って、映画の主題歌なんじゃないの」
そういえば、チェ・ミンシク主演の映画「花咲く春が来れば」と、同じタイトルである。
この時点で私は、まだこの映画を見ていなかった。そういえば、以前から見ろ見ろといわれていたこの映画も、そろそろ見なければならないな。
ところが、「不朽の名曲2」のデュエット特集をあらためて見直してみて驚いた。
2PMの人と歌っていた「ソウルの女王」は、BMKではなかったのだ。
「Big mama(ビッグママ)」という女性4人組グループのうちの1人だった。
(なんだ、全然別人だったのか…)
私がBMKをテレビで見た、というのは、韓国MBC放送でやっている「私は歌手だ」という番組の方だったことを思い出した。
さらにそのあと、こんどは、チェ・ミンシク主演の映画「花咲く春が来れば」を見た。
エンディングの曲を期待したが、これも、BMKの歌ではなかった。
(なんだ、同じタイトルだけど、まったく関係ない歌か)
結局、BMKとはひとっつも関係ないものばかりだった。
でも、瓢箪から駒である。思わぬ勘違いがきっかけで、BMKの歌と出会ったのだ。
これからもBMKを応援していこう。
それと、こんどはBig mamaにも注目しよう。
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