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10年後に「JSA」を見る

どうも最近、このブログの熱心な読者はこぶぎさんしかいないのではないか、という気がしてきた。

今年は、ブログ本来の目的に立ち返って、韓国文化に関する記事に力を入れることにしよう。

Jsa いまさらだが、韓国映画「JSA」は、やはりいい。

「JSA」とは、「JOINT SECURITY AREA」の略で、韓国語で「共同警備区域」という。日本では、「板門店」という言葉の方がなじみがあるかも知れない。

そのタイトル通り、南北分断という、この国が背負っている政治問題が、この映画の底流に流れている。それにこの当時の「太陽政策」との関わりも、考えられなくもない。だが、単なる政治映画ではないことは、いうまでもない。

監督は、「オールド・ボーイ」などの「復讐三部作」や、「こうもり(邦題:渇き)」で知られるパク・チャヌクである。

私の中で、ボン・ジュノは「巨匠」、パク・チャヌクは「奇才」というイメージがある。パク・チャヌクは、細部のリアリティにこだわりをもっているようで、この映画でも、リアリティへのこだわりが存分に見てとれる。

調べてみたら、この監督、1963年生まれで、いわゆる「386世代」なんだな。「386世代」とは、韓国における世代の呼び方のひとつで、1990年代に30代(3)で、1980年代(8)に大学生で学生運動に参加し、1960年代生まれ(6)である人びとをさす。この映画で歌が流れていたキム・グァンソク(1964ー1996)は、386世代のカリスマ、といわれた歌手だから、キム・グァンソクに対する監督の思い入れも、並々ならぬものだったのだろう。この映画は、まさに386世代のための映画であるといってもよい。

俳優陣に注目すると、ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエといった、韓国を代表する俳優の競演、というのが豪華である。

地味だが、ソン・ガンホの部下を演じたシン・ハギュンもいい。シン・ハギュンは、パク・チャヌク監督の映画「復讐者に憐れみを」と「こうもり」においても、ソン・ガンホと共演している。昨年(2011年)末のKBS演技大賞では、大賞を受賞した、実力派俳優である。

そして、このころのイ・ヨンエの美しさは異常である。アジアでいちばん美しい女性ではないだろうか。

おもしろいと思うのは、今でこそ、イ・ビョンホンもイ・ヨンエも日本では有名だが、この映画が日本で公開された2001年当時、2人はほとんど無名であったことである。

イ・ビョンホン主演のドラマ「オール・イン」が日本で放送されたのが2004年、イ・ヨンエ主演のドラマ「チャングムの誓い」が地上波で放送されたのが2005年だったから、2人の大ブレイクは、これ以降、ということになる。

つまり主演の3人のうち、当時は唯一ソン・ガンホだけが、映画「シュリ」に出演していたことで、その名が日本に知られていた。だから公開当時、この映画はソン・ガンホをメインに売りだした映画だったのである。いまでは、とても考えられない。

そう考えると、この10年のあいだに、驚くほどのスピードで韓国の映画、ドラマ、俳優が、日本に浸透していったことがわかる。

そんなことを考えながら、10年前の「JSA」を見るのも、また味わい深い。

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