ルクエは私を救うか
1月27日(金)
昨年、足の痛みにさんざん悩まされた。
その反省から、今年の目標は、「健康的な食事」である。
とにかく、このままの生活を続けていては、生命に関わるのである。
なので最近は、家で料理をするときは、「キャベツの蒸し焼き」ばかりを作っている。
かぐや姫ではないが、「キャベツばかりをかじってた」(「赤ちょうちん」)といった心境である。
「ルクエがいいですよ」と、知り合いにすすめられた。
「ルクエ?」
ルクエとは、シリコン素材の蒸し器で、電子レンジで簡単に調理ができるという。
「ブロッコリーなんて簡単に調理できて、しかも味がぜんぜん違うんですから」
駅前のデパートに売っているという情報を聞いた。
買いに行くとしたら、今日くらいしか時間がないなあ。
インターネットで、開店時間を調べてみると、午後6時半まで、とある。
ろ、6時半???
デパートって、そんなに早く閉まったっけ?
夕方、職場を早く出て、歩いて駅前のデパートに向かうことにした。
おりしも外は、大雪である。
(まあ仕方ない。今日くらいしか買いに行く時間がないんだからな)
それにしても、商品名が覚えにくい。
近ごろめっきり記憶力が低下したせいもあるが、何より「意味のわからないカタカナ3文字」が、ぜんぜん覚えられないのだ。
(ルではじまることは覚えているんだが…)
ルケラ?ルケア?ルキエ?ルピカ?ルタオ?
出かける前にもういちど確認。ルクエである。
雪道を、商品名を忘れないように、
(ルクエ、ルクエ、ルクエ、ルクエ…)
と唱えながら歩くことにする。まるで「はじめてのおつかい」だな。
吹雪の中、ようやくデパートに着いた。
7階の食器売場に行くと、シリコン素材の蒸し器は並んでいるのだが、いずれも他社のもので、ルクエが見つからない。
(ひょっとして、ガセか?せっかくここまで歩いてきたのに…)
店員さんに聞いてみることにした。
「あのう、ルクエってどこにありますか?」
「何でしょうか?」
「ルクエです」
「ルクエ…」
店員さんは知らない様子である。
「電子レンジで調理する、シリコン素材の容器なんですけど」
「ああ、わかりました。こちらです」
さっき私が見た場所に案内された。
「いまだと、ここらへんがよく売れてますよ」店員さんは、他社の容器を指さした。
「ルクエじゃなきゃダメなんです!」と私。
店員さんが必死に探すと、一番下に、まるで陰に隠れるように、ルクエがあった。
「ありました」
こんな、一番下に置かれていて、ルクエって、本当に有名なのか?
「大きいルクエと、小さいルクエがありますが、どちらになさいますか?」と店員。
これが昔話だったら、「小さいつづら」を選んだ方が幸せになる、というものである。
だが私は、欲張り爺さんなのだ。「大きい方にします」と言って、大きい方を手にした。
「ありがとうございます。5000円です」
ご、5000円???
そういえば、ルクエがいくらするかなんて、気にもとめていなかった。まさか、あんなプニョプニョの容器が5000円もするなんて。だいいち、1000円以上の調理器具なんて、これまでほとんど買ったことがないのだ。
だが、私の生命に関わることなので、大きいルクエを買うことにした。
そうなると、すぐに家に帰って、ブロッコリーを調理したくなるものである。
だが私には、まだやることがあった。散髪屋に行ったり、駐車場の雪かきをしたり、車にガソリンを入れたり、いろいろと忙しいのだ。
散髪している間も、頭の中はルクエとブロッコリーのことでいっぱいである。
ぶ、ぶ、ぶ…
ぶろっこりいいいぃぃぃぃぃー!
と叫びたい気分である。
ようやく散髪が終わり、駐車場の雪かきをして、車にガソリンも入れて、スーパーにブロッコリーを買いに行く。ほかにも、ルクエで調理できそうな野菜を買ったりする。
家に戻り、いよいよ調理開始である。
切ったブロッコリーをルクエに入れて、オリーブオイルを少しかけて、電子レンジで1分ちょっと。
あっという間に完成である。
付属のレシピに書かれているとおり、塩こしょうをかけて、粉チーズを少し振りかけて、食べてみる。
これが、ビックリするくらい美味しい!!!
あっという間に平らげる。
次に、小松菜を切ってルクエに入れ、ごま油を少しと、塩少々。電子レンジで2分。
これも美味しい!完全な「ナムル」である。
今度は、スライスしたジャガイモとベーコンを入れて、ルクエに入れて電子レンジへ。
これもまた、簡単で美味しい。
そんなことをくり返していくうちに、あっという間にお腹いっぱいになって動けなくなってしまった。
ルクエの難点を、1つだけ発見した。
つい、食べすぎてしまう、ということである。
…あ、これはオレの問題か。
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コメント
先日の映画ネタにコメントしようと、日本公開された某韓国映画を見て来たんですが、これが「お前なんかペッ」というレベルでコメントネタにできませんでした。韓国で当たらなかったのは、主演男優の人気が日韓で温度差があるからとばかり思っていたんですが、ストーリー自体がつまらなかったのね。
大体、場面設定自体がナイナイ(なさそうなことで、実際にもない)から入っているのに、その説明を端折るので、原作を知らないと置いてけぼりに。漫才の教科書では、最初はアルアル(ありそうなことで、よくある)から入って、最後にナイナイで終わるのが常道なのに、順序が逆だから感情移入できないのだ。
ヒロインだって、こちらはチョ・ソンモのミュージックビデオ以来のファンなのに、よくもまあ、疲れたおばさん風に撮りやがったし、最後のぽっぽシーンも蛇足だ。尺を2時間以内にするために、いろいろカットしすぎたんだと思いたいです。
ま、そんなことが言いたいのでなくて、蒸し野菜ですよ。一昨日、とある奇祭を見に行ったついでに、スーパーに大量在庫していたピンク色のシリコンスチーマーを購入。980円ですが、一人サイズの鍋型なので、取っ手が付いていて持ちやすいのだ。
翌日帰宅して、カット野菜山盛りに豚バラ4枚を乗せ、塩胡椒とオリーブ油でシンプルに味付けして、レンジに5分かけると、これがうまい!!!!。キャベツの甘みがよく出ている。素材のうまさを味わったら、次に、大阪で買ってきた旭ポンズを投入。うーむ、もやしはポンズの恋人。さらにさっぱりしてうまい!!!!!。
いやあ、この蛍光色のフニャフニャ鍋を、あなどっていましたわ。これまでも根菜の下ごしらえはラップでくるんでチンでしたし、レンジで蒸し野菜ができるプラスチック容器とかも買ってみたんですが、結局使わずじまいになっていました。
でも、今回は素材のうまみが出てる気がするんです。煮るとお湯の中にうまみ成分が逃げちゃうのかもしれないし、シリコンが耐熱性に優れているので、野菜にちょっと油分を加えられるのがよいのかも。
それに、味だけでなく、いろいろレシピを試してみたくなっている気分が、楽しいんですわ。茹でる前にお湯を沸かす時間がいらないので短時間で調理できるし、レンジにかけたら別の準備にとりかかれるし、鍋の形がかわいいので皿に移さないでもいいし。
ちなみにルクエの大きい「つづら」は3~4人前のファミリー向けだそうですので、記事のようにおいしいからと行って3回作ると、9~12人前の野菜を食っちゃったことになります。
投稿: スチームこぶぎ | 2012年2月 1日 (水) 01時43分
あ、例の映画、見たんですか。私はさすがに見ようとは思いませんでした(笑)。ヒロインの女優は、家庭教師の役をした映画を見てからの大ファンなんですけどね。
ま、それはともかく、シリコンスチーマーにはまる感覚、よくわかります。ついつい、いろいろなレシピを試してしまいたくなるんですよね。それで結局、食べすぎるハメになるのです。
オッサン限定の「ルクエファンクラブ」でも立ち上げましょうか(笑)
投稿: onigawaragonzou | 2012年2月 2日 (木) 04時08分