冬の若葉
1月18日(水)
さだまさしの「夢の吹く頃」は、私が高校生のころに見た時代劇「五稜郭」の主題歌だった。
その中に、
「時代(とき)を越えて生き続けて
今枯れかけた大きな樹
けれどもその枝さきで
今年の若葉が生まれてる」
という歌詞がある。
何でこんなことを思い出したかというと、4年生の卒論が一段落して、今度は3年生が、進路に向けて大きく動き出しているからである。
毎年この光景を見ている私にとっては、まるで新しい若葉が芽吹いていくような感覚にとらわれるのである(といっても、4年生を「枯れかけた木」にたとえているというわけではないので、誤解なきよう)。
この前の月曜日(16日)は、新年最初のクリーニング作業だった。1年生から4年生までの数名が来てくれた。
しばらくあいだが空いてしまったが、それでも忘れずに来てくれるのはありがたい。
作業の当初から中心になって活躍してくれた4年生のT君も、もうすぐ卒業である。あとは、うまく後輩に引きついでくれるのを祈るのみである。
久しぶりに来てくれた3年生のN君がいう。
「明日、企業の説明会で東京に行くんです」
作業をしながら、「就活」の話になる。
「交通費や宿泊費もバカにならないでしょう」
「ですのでネットカフェに泊まっています」
なるほど。
「でも、つい漫画を読んじゃって、結局寝不足になったりするんです」
それで説明会で爆睡なんかしたら、何のために東京に行ったのかわからない。
ま、タフで前向きなところが取り柄のN君だから、大丈夫だとは思うが。
さて今日の夕方、図書館でコピーをとっていると、今度は3年生のUさんが通りかかった。
「あ、先生こんにちは」
「やあ」
元気そうな様子である。
「あのう、明日と明後日に企業の説明会があるので、授業を欠席させていただきます。すいません」
「わかりました。もうはじまっているんだね。そういえば、今度の28日と29日に…」
「合同説明会ですよね。もちろんそれにも行きます!」
どこまでも前向きなUさんである。
「じゃあ、がんばってください」
「はい、がんばります!」Uさんはニッコリ笑って小さくガッツポーズをとった。
明るくて前向きだなあ。なんか、ここ2,3日のどんよりした気持ちが、すげー癒されたわ。
いつも思うが、励まされるのは、むしろ私の方なのである。
外は雪に覆われているが、その下には若葉が芽吹いているのかも知れない。
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