« お釣りはいらない | トップページ | 卒業祝賀会フリートーク・その2 »

卒業祝賀会フリートーク・その1

最初にことわっておきますけど、この話、かなり長くなりますよ。

3月23日(金)

今日は卒業祝賀会の日である。

卒業祝賀会には、あまりいい思い出がない。

昨年は震災の影響で祝賀会じたいが中止になってしまったし、その前の年は、ぜんぜん知り合いのいない、いちばん端の席に追いやられ、いたたまれなくなって途中で帰ってしまった。さらにその前の年は、韓国に留学中で、祝賀会には出られなかった。

それにもともと、儀式ばったことが大嫌いな私は、ああいう場所にいるといたたまれなくなるのだ。

だがしかし、大人なんだから、卒業生たちをちゃんと祝福しなければならない。

テンションを上げるために、会場となるホテルまで歩きながら、iPodに入っているキャンディーズの「春一番」と「微笑がえし」を聞くことにする。ここ最近、キャンディーズのベスト盤を頻繁に聴いているのだ。

キャンディーズこそは、私の「アイドル原体験」である。

といっても、そのときまだ私は小学生であった。歌よりもむしろ、「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」というバラエティ番組で、伊東四朗や小松政夫と一緒にコントをしていたキャンディーズが大好きだったのである。

いま、そのときの映像を見かえしてみても、キャンディーズは、じつに芸達者な人たちだったんだなあ、と思う。ちなみに私は、ランちゃん派であった。

そのキャンディーズが解散したのは、小学校4年くらいの時である。この時はじめて「解散」という言葉を知った。

キャンディーズで「解散」を知り、山口百恵で「引退」を知ったのだった

あまりにもキャンディーズの原体験が強すぎて、その後の女性アイドルグループは、どれも色あせて見えてしまった。だからその後のアイドルグループには、ほとんど関心がない。「少女時代」が出てくるまでは、である。

ベスト盤はシングルレコードの発売順に曲が並べられていて、よく聴いてみると、「年下の男の子」から、ガラッと雰囲気が変わったことがわかる。

最初は、歌の一番うまいスーちゃんがセンターにいたのだが、この「年下の男の子」から、ランちゃんがセンターとなり、よりアイドル性の強いグループへと変貌をとげてゆく。

それが功を奏して、この「年下の男の子」が爆発的にヒットしたのである。

「年下の男の子」も名曲だが、今日は卒業式の日なので、「春一番」と「微笑がえし」だけをくり返し聴くことにした。

「春一番」はいまの時期にピッタリの曲だ。この曲を聴くだけでテンションが上がる。

キャンディーズが解散前、最後に発売した曲「微笑がえし」は、阿木耀子の作った職人技的な歌詞が光る名曲である。なにしろ、それまでキャンディーズが歌った歌のタイトルを歌詞の中に織り込みつつ、ひとつの「世界観」を作りあげているからだ。

それでいて、別れの曲なのに、ちっとも悲壮感がない。「可笑しくって涙が出そう」なんていうフレーズ、ホントすごいよなあ。

(そうだ!もし万が一、卒業祝賀会の余興かなにかで、「先生、何か1曲、カラオケをお願いします」かなんか言われたときは、この「微笑がえし」を歌おう)

そんなことを思いながら「微笑がえし」をくり返し聞いた。

さて、会場に向かう道すがら、もうひとつ考えなければならないことがあった。

それは、「蝶ネクタイをしめるかどうか」である。

いちどはあきらめた蝶ネクタイだが、やはり未練が残る。

いちおう、普通のネクタイをしめて行くことにしたが、スーツのポケットには蝶ネクタイをしのばせておいた。

なぜ、私が「蝶ネクタイ」にこだわるのか。

それは、ドラマ「刑事コロンボ」とかかわりがある。

刑事コロンボ(ピーター・フォーク)といえば、うだつが上がらなそうな外見が有名であり、ふだんの私も、そんな格好に近い。

だが「刑事コロンボ 忘れられたスター」というエピソードの中に、コロンボがミュージカルスターの招待を受けて、黒いスーツに蝶ネクタイという格好で家を訪問する、という場面があった。

そのときの格好が、けっこうサマになっていたのである。

私はその場面を見て以来、ふだんの外見が「アレ」でも、何かの折に「蝶ネクタイ」をしたら、それなりにサマになるのではないか、と、ずっと思っていたのである。

(でも、いきなり蝶ネクタイなんかしたら、「あいつ、なに勘違いしてんの?バッカじゃねえの」と思われるかもしれないなあ)

例によって「自意識過剰虫」が騒ぎ出した。

(はるか、まるか。はるか、まるか…)

はるか、まるか」とは、韓国語で「しようか、するまいか」という意味である。

(はるか、まるか。はるか、まるか。はるか、まるか…)

歩調に合わせて、心の中でそう言いながら、祝賀会の会場へと向かった。

…あれ?まだ卒業祝賀会の会場に着いてないぞ!

この続きは、次回に。

|

« お釣りはいらない | トップページ | 卒業祝賀会フリートーク・その2 »

職場の出来事」カテゴリの記事

コメント

A 今回は話が長すぎで、まだ本題にさえ辿り着いてないねえ。

B それじゃ、よい子の皆さんが上の本文記事を読み終わるまで、我々はこれでも見ていましょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=2bB9v7b20Fg

A ほらね、蝶ネクタイといったら刑事コロンボよりも、やっぱりベンジャミン伊東でしょ。

B 鬼瓦さん、ちゃんと特大の赤蝶ネクタイつけて、カラオケ歌ったかな?

A 大体、「みごろ たべごろ 笑いごろ」といったら、この印象しか記憶に残ってないんだよね。

B あまりに強烈すぎてね(ほー、電線マンってニューギニア出身だったんだ)。

A しかし、キャンディーズといったら「夏が来た」でしょう。

B 僕は渋いところで「わな」かな。

A キャンディーズを応援してた世代は僕らより上だったけど、中学生当時、BCL(短波ラジオで海外放送を聞く趣味)が流行していてね。それで聞き始めた「ラジオ短波」の「ヤロウどもメロウども Oh!(通称ヤロメロ)」に「メモリアルキャンディーズ(通称メモキャン)」というコーナーがあったから、よく知っているんだよね。

B なんか、往年の化石リスナーさんにしか絶対伝わらない話だけど、本文記事で「フリートーク」と銘打っているから、それに乗じて書いちゃいました。

A あれ、まだよい子の皆さんが本文記事を読み終わっていないようだから、最後に「微笑がえし」でもかけておきますか。

B 皆さんもピーター・フォークの顔真似をしながら、「ハウぅ」とコーラスをつけてみて下さいね。

http://www.youtube.com/watch?v=wommkJBaMfU

投稿: 年下のこぶぎの子 | 2012年3月24日 (土) 20時17分

C「やはり、キャンディーズに食いついてきましたか、こぶぎさん」

D「『少女時代』の名前も出しておきましたからね。…というか、こぶぎさんは常連のハガキ職人さんですな。ラジオネームも毎回凝ってきますし。凝りすぎて誰だかわからないときもあるくらいです。『乙女旅アドバイザー』とか」

C「それより、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』の話をしましょうよ」

D「そうしましょう」

C「私たちの頃って、ドリフターズの番組が教育上よくない、みたいなこと言う人が多かったでしょう」

D「ええ、そうでした。PTAの方々ととかね」

C「でも、本当に教育上よくなかったのは、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』の方です」

D「そうですね。ベンジャミン伊東なんか、あの格好で靴のままこたつの上に乗って、電線音頭を踊ってたわけですから、子どもにいい影響を与えるはずがありません」

C「あれって、たしか東八郎が日舞のお師匠さん役で出てたでしょう」

D「ああ、東MAX(アズマックス)のお父さん」

C「そうそう。そこに日舞を習いにくるのがキャンディーズ」

D「おそろいの浴衣を着てね」

C「で、日舞コントが終わったと思ったら、いきなりベンジャミン伊東が乱入してきて、電線音頭をキャンディーズの3人に踊らせるんです」

D「そうでしたそうでした」

C「そのとき、浴衣姿で電線音頭をむりやり踊らされているキャンディーズが、子供心に、かわいいというか色っぽいというか」

D「わかりますわかります」

C「私がいう原体験というのは、そういうことです」

D「なるほど」

C「あとあの番組には、当時まださほど有名でなかった西田敏行が出ていましたよね」

D「加山雄三の『若大将』に対抗して『カバ大将』なんていってね」

C「この番組の西田敏行が、メチャクチャ可笑しかった」

D「そうでした。いまのお笑い芸人なんかよりも芸達者で、はるかに面白かった。天才的で、少し狂気じみていましたね」

C「当時人気絶頂のアイドルだったキャンディーズが、まださほど有名でなくてあか抜けない西田敏行をからかうんですよね。いまの言葉でいうところの『いじる』というやつですか」

D「で、西田敏行が、その仕打ちにいじける、というのがパターンでした」

C「役柄上、そういう設定だったのですが、でも、西田敏行の芸達者ぶりを、当時のキャンディーズは明らかに尊敬の目で見ていたのです。僕にはそれがわかりました」

D「あら。当時小学生の分際で、そんなところまで気づいていましたか」

C「いまでもたまに、西田敏行と伊藤蘭さんが、ドラマとか、まじめな番組で共演したりするでしょう」

D「たしかむかしも、市川森一脚本のドラマ『港町純情シネマ』で2人は共演していましたよ」

C「なんか、そういうの見ると、グッとくるんですよねえ」

D「グッとくる?」

C「感慨深い、というかねえ。人気絶頂だったアイドルと、あか抜けない駆け出し俳優という関係だった2人が、大人として共演している姿なんかを見ると」

D「その感覚、よくわかりません」

C「わかりませんか?」

D「西田敏行と伊藤蘭さんが共演しているのを見て、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』の時代を思い出してグッとくるなんて、世界であなたくらいしかいませんよ」

C「そうでしょうか」

D「やはりあなたは、変わっています。たぶん、誰にも理解されないと思いますよ」

投稿: onigawaragonzou | 2012年3月25日 (日) 02時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« お釣りはいらない | トップページ | 卒業祝賀会フリートーク・その2 »