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開け!青春の門

3月6日(火)

ソウルに着いた日の夜、さっそく、地下鉄5号線光化門駅近くにある、教保文庫(キョボムンゴ)に行くことにする。

キョボムンゴはいまさら説明するまでもない。韓国でいちばん有名な大型書店である。

ここで、「読みもしない本」をたくさん買うことが、ソウルに来たときの習慣になってしまったのだ。

250_38129_2206335_2 新刊本のコーナーを見ると、あの『ワンドゥギ』の原作者、キム・リョリョンが、2年ぶりに新作長編小説を発表したという。タイトルは、『カシコベク』。日本語訳すると『いばらの告白』というくらいの意味になろうか。

この前ソウルに来たときは、『ワンドゥギ』の原作小説を買ったのだが、じつはまだ読んでいない。にもかかわらず、『カシコベク』も買うことにした。

平積みになっている『カシコベグ』を1冊取りあげたときに気づいた。

18013203_001_3 『カシゴベク』の左隣には同じ作家の青春小説『ワンドゥギ』が平積みになっているが、右隣には、なんと五木寛之原作の『青春の門』の韓国語訳版が平積みになっているではないか!

そしてその一角は、青春小説を並べているらしく、韓国語で、

「開け!青春の門」

というキャッチフレーズのプレートが立てられているのである。

以前この日記で、映画「ワンドゥギ」を「韓国版・青春の門」と評したが、韓国の人たちも、同じようにキム・リョリョンの描く青春小説を、五木寛之の『青春の門』になぞらえていたのである。

しかもいま、青春小説が「隠れたブーム」らしい。

どうだい!オレの鑑識眼も、まんざら捨てたものではないぞ。

でも、たしかに『青春の門』は古典的名作だが、いまの日本の若い学生で、この小説を読んだことのある人はどれくらいいるか、と思うと、ちょっと心細い。それに、いまの韓国の若者たちには、受け入れられるのだろうか。それとも、私のようなオッサンが読むのだろうか。いずれにしても、いま『青春の門』が韓国の人たちに受け入れられているというのは、なかなか興味深い問題である。

20080417051809_142_0_2 あ、あと、小川洋子さんの『博士の愛した数式』が韓国語訳されていたので、即買いしました。青春小説とは関係ありませんが、たぶんこちらの方を、先に読むだろうな。

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