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粗忽ぬりえ

3月29日(木)

職場の身のまわりでは、引っ越しの準備で慌ただしくなりだした。

ところが私はといえば、あまりの本の多さにただただ呆然として、片づけがいっこうに進まない。

それに加えて、春休みまでに何とかしなければいけない原稿もある。

このままだと、どちらも終わらずに自滅してしまうだろうな。

24 片づけに飽きたので、100円ショップに行って、クレヨンを買うことにした。

昨日こぶぎさんから送ってもらった「大人のぬりえ」に、ぬりえをするためである。

24色入り100円というクレヨンセットを買い、さっそくぬりはじめる。

Photo ぬりながら、「オレはいったい、何をやっているんだろう」と、わけがわからなくなった。

「ぬられている顔はたしかにオレだが、ぬってるオレは誰だろう?」

このセリフ、元ネタはわかるかな?そう!落語ファンなら誰でも知っている、「粗忽長屋」のオチのセリフをもじったものだ。

Photo_2 実際のところ、ぬっていると、あの落語「粗忽長屋」のようなイリュージョン的な感じになってしまうから不思議である。

ぬりおわって、いくつかのことに気がついた。

まずこれは、「大人のぬりえ」でも何でもない。「大人のぬりえ」って、もっと複雑だったり、微妙な色合いを出したりするものなんじゃないのか?

それに、「大人のぬりえ」にはすこし色っぽい感じのぬりえがあったりして、それが若返りの効果をもたらすのだ、と聞いたことがあるぞ。

だがこのぬりえは、そんな要素がまったくない。

くり返しこの顔をぬったところで、なんの達成感もないことに気づいた。

もうひとつ気づいたことがある。

Photo_3 それは、このぬりえの原画は、4年生のSさんが書いた元画とは、微妙に異なることである。つまり、制作者のこぶぎさん自身が、原画を描いたものであることがわかる。

にもかかわらず、Sさんの描いた元画と、とてもよく似ている、というか、そっくりである。

ということは、この似顔絵は、誰でも簡単に描ける、ということなのか?

…いや、そんなことはどうでもよい。

ぬられている顔はたしかにオレだが、ぬってるオレは、忙しいにもかかわらず何をしているんだろう?

こんなことをしている場合ではないのだ!

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職場の出来事」カテゴリの記事

コメント

 片手にクレヨン、片手にデジカメ(沢田研二風に)で塗り絵を前にしている姿を想像すると、また笑えます。ありがとうございます。

 ただ、自分の顔だから遠慮があるわけで、他人様の顔だと思えばもう、金髪、日焼け、サングラス、口ひげ、蝶ネクタイと、思いのままに塗りたくって、ストレス発散。

 うーむ、シャネルズの「くわまん」みたいになっちゃたぞ。

 余白には、幼稚園児が書き殴った感じで、「お父さんありがとう 桜幼稚園 年長組 井関志晴(いせっき しばる)」と、父の日のプレゼント風に、大きく落書き。

 この子、韓国では自己紹介するだけで、喧嘩になりますな。

 なお、わざと言いませんでしたが、この塗り絵では、烏帽子の何色にするかで「冠位十二階占い」ができるようになっています。

 鬼瓦さんの絵だと水色に塗っていますから、冠位で言うと「小仁」。つまり鬼瓦さんは「少しだけ愛がほしい」という、大原麗子のウイスキーのCMみたいな心理状態であると占えます。ね、当たってるでしょ。

投稿: こぶぎ | 2012年3月30日 (金) 19時12分

本当はぬりえをするつもりはなかったのですが、本文にも書いたように落語の「粗忽長屋」を思い出し、これはネタになると思い、クレヨンを買いに行ったというわけです。それに、100円で買った24色のクレヨンを使ってぬる、というのも、ネタとして面白いかなと思ったり。
「冠位十二階占い」、当たりますね(笑)。それにしても沢田研二の「片手に~」とか、大原麗子のウィスキーのCMとか、「シャネルズ」(ラッツ&スターという呼称ではなく)の「くわまん」とか、私たちの世代にしかわからないでしょうな。

投稿: onigawaragonzou | 2012年3月31日 (土) 00時40分

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