4月の雪
4月7日(土)
外へ出ると、雪が降っていた。そしてかなり寒い。
今日もまた、午後から、職場の研究室の引っ越しのための箱詰め作業である。
メールで学生に呼びかけたところ、幸いにも新3年生のNさんとSさんが、手伝ってもいいという返事をくれた。
職場に着くと、構内は「新入生歓迎フェスティバル」で賑わっていた。舞台を設営して、さまざまなサークルが出し物をしたり、その周りにはテントを設営して、さまざまなサークルが、新入生にサークルの勧誘をしたりしている。
昨年もたしかこの日に、職場で仕事をしていた。
昨年の日記に、「せっかくなので窓を開けて外の様子を聞きながら仕事をすることにした」と書いたところ、それを読んだ卒業生のSさんが、「窓を開けながら仕事をしたなんて、先生くらいなものですよ。毎年、先生方から『ギャーギャーとうるさい』と、クレームが来るんですから」とメールをくれた。Sさんは学生時代、「新入生歓迎フェスティバル」の実行委員長をつとめていたから、教員からのクレームに頭を悩ませていたのだろう。
そういえば、私が顧問をつとめている、手芸サークルはどうなっているだろう。
構内を歩きまわると、すぐに見つかった。
「あ!先生!」
サークルの新会長の2年生が、看板を持って立っていた。ほかにも数人がいた。
「今年はテント、使わせてもらえたんだねえ」
昨年は、新設のサークルだったためか、テントすら支給されなかったのである。
「ええ。でも、とんだ天気になってしまいました。雪が降っているんですよ!」新会長は寒さでふるえていた。
たしか、昨年の「新入生歓迎フェスティバル」も、雨が降っていて寒かったという記憶がある。
「新入生の反応はどうですか?」
「はじまって1時間で、新入生が5人も名前を書いてくれました!今年は手応えありです」
「それはよかった」
サークルの学生は、いずれも私の知らない学生ばかり。たぶん、私の授業も受けたことがないのだろう。1,2度しか会ったことがないから、名前もよくわからない。
だが、看板を見て驚いた。
「これ、先生をイメージして作ったんです。アハハ、そっくりです!」
学生たちは、看板と私の顔をあらためて見くらべて、笑っていた。
学生たちには、私の顔がクマに見えるらしい。
それにしても、かわいらしくていい子たちばかりである。
手芸をする人に悪い人はいないんじゃないか、と錯覚させるくらい、素直な子たちであった。
そうこうしているうちに、学生との約束の時間が来た。午後からは引っ越しのための箱詰め作業である。
(続く)
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コメント
実はその日の午後、所用のため大学に行ったのでした。お伺いしてお手伝いすればよかったですね、すみません。
私もイベントでにぎわうキャンパス内を通りすぎました。
誰かひとりくらいはチラシを渡してくれたり声をかけてくれたりする人がいるだろう――そんな期待をもった自分が恥ずかしくなるくらい、私は在学生にとって「アウトオブ眼中」でした(笑)
暦のうえでは春だといっても、まだまだ肌寒い日が続きますね。体調には十分気をつけてください、私が言える立場ではありませんが(笑)
投稿: 経理課のT | 2012年4月 8日 (日) 23時30分
そうですよ経理課のTさん!まずは自身の体を心配しなさい(笑)。いまは仕事のペースになれるときですから、週末は余計な手伝いなどせずに十分に休むべきですよ。
ところで、「アウトオブ眼中」って言葉、いまの若者も使っているのか?
投稿: onigawaragonzou | 2012年4月 9日 (月) 00時51分
「アウトオブ眼中」という言葉を耳にすることは、さすがにもうありません(笑)もはや死語なのかもしれません。
そして、私がイベントで在学生から見向きもされなかった理由は、このようなところにも表れているのかもしれません(汗)……なんちゃって(クリスタル)!!
投稿: 経理課のT | 2012年4月 9日 (月) 23時20分