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並べられたポスター

5月28日(月)

6月の中旬に、職場を会場として、あるイベントを計画していて、先日、そのチラシとポスターを作ることになった。

せっかくだからいいものを作ろうと、原稿は私が作成し、昨年末のイベントのときと同様、事務スタッフのSさんにデザインをお願いしたところ、数日して素晴らしいデザインのポスターができあがった。センスのいいポスターってのは、こういうのをいうんだなと、感心する仕上がりである。私だけではない、そのポスターを見た多くの人たちがそう言っているのだから、間違いない。

今回は、どことなく市川箟監督の映画「犬神家の一族」のタイトルバックを思わせるデザインである。Sさんは、私が金田一映画のマニアであることを知っているはずもないのだが、それと知らず顧客の好みに合わせるところもまた、プロ並みである。

授業でチラシを学生に配りながら言う。

「このイベントにもし100人集まらなかったら、私は重大な決意を…」

学生たちは、またはじまった、と呆れた顔をした。

さて、先週の木曜日。別の職員さんから言われた。

「韓国の大学から、夏期学校の案内が来ています。ついては、近日中に参加を希望する学生への説明会を開かなければならないので、先生、説明会告知のポスターを作っていただけないでしょうか」

私は、その説明会を担当することになっていたのだ。

「はあ、わかりました。いつまでに作ればいいでしょう」

「なるべく早い方がいいですね」

「わかりました。では月曜日までに作ります」

とは言ってみたものの、この週末は結局、研究室の移転準備作業に追われていたので、ポスターのことなどすっかり忘れていた。

そして今日(月曜日)。

午前の授業が終わり研究室に戻り、ふと、ポスターのことを思い出した。

(い、いかん!ポスターを作らなければ!)

しかし午後からは、会議と授業で夕方まで時間がとれない。仕方がないので、お昼休みにあわててポスターを作ることにした。作る、といっても、ワープロソフトで作成するごく簡単なものである。

ひととおり作り終わって、大きくため息をついた。

(われながら、ビックリするくらいセンスがないなあ)

ほんとうに、驚くほどセンスのないポスターに仕上がったのである。いくらワープロソフトで作ったとはいえ、センスがないにもほどがある。

(でもまあ、ポスターといっても、せいぜいA3くらいに拡大して貼るのが関の山だから、そんなに目立たないだろう)

時間がなかったこともあり、そう思い直し、仕上がったポスター原稿を職員さんにメールで送ることにした。

さて夕方。

授業が終わり、建物の外にある掲示板のところを通ってビックリした。

お昼休みに職員さんに送信したポスターが、すでにデカデカと掲示されている。

そればかりではない。Sさんがデザインしたあのポスターのすぐ横に、しかもそのポスターとまったく同じサイズで、私が作ったセンスのかけらもないポスターが並んでいるではないか!

それにしてもビックリするくらい大きなポスターである。何もそこまで大きくして告知するほどのものでもないのに…。あれだけ大きいと、センスのなさも際だつというものである。

そして並べられているところを見ると、あたかも「センスのいいポスター」と「センスの悪いポスター」の見本市のように思えてきて、だんだん悲しくなってきた。

問い合わせ先が2つとも私の名前になっているのは、何ともシュールである。

これはあれか?私をはずかしめようとするプレイなのか?

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