原点は「猟奇的な彼女」
この大型連休は、例によって韓国の番組や映画などを見て過ごした。
韓国KBS放送のバラエティ番組「1泊2日」が、リニューアルされ、新しいレギュラーが加わった。
「1泊2日」とは、簡単にいえば、アラフォーのオッサン芸能人7人が、1泊2日で韓国内を旅行して、その中で、さまざまなゲームをしたり、ミッションをクリアしていく、というバラエティ番組である。韓国では、知らない人がいないほどの超人気番組である。
新レギュラーのひとりが、俳優のチャ・テヒョンであった。
チャ・テヒョンといえば、映画「猟奇的な彼女」(2001年)である。
私が見た回では、映画「猟奇的な彼女」のロケ地である、江原道のチョンソンを訪れていた。
そこは、あの「松の木」のシーンを撮影した場所である。
チャ・テヒョンも、撮影当時からじつに12年ぶりに、この「松の木」と再会した。
この番組を見ていて、久しぶりに「猟奇的な彼女」を見たくなったので、見ることにした。
10年ほど前、こぶぎさんに「絶対に見た方がいい」とすすめられて、とりあえずDVDを買った。
当時、韓流映画にまったく関心のなかった妻に、「そんな口車に乗せられてDVDを買うなんて、バカじゃないの」と叱られたが、実際に見てハマったのは、むしろ妻の方であった。
つまり、この「猟奇的な彼女」こそが、妻と私を、韓流の道に導いた原点の映画なのである。
じつに久しぶりに見たので、細かな場面をほとんど忘れていたが、あらためて見直してみると、やはりいい!
若者たちよ、とくに大学生たちよ、この映画、絶対に見るべし!
と、声を大にして言いたい。
好きな場面はいろいろあるが、私がとくに好きなのは、映画の後半で、キョヌ(チャ・テヒョン)が「彼女」(チョン・ジヒョン)のお見合い相手と話すはめになり、見合い相手の男性に、「彼女」とつき合う際の心得を話す場面である。
キョヌは本当は、「彼女」のことが好きなのに、その気持ちを押し殺して、「彼女」の見合い相手の男性に、「彼女とつき合う心得」を語り出すのである。
この場面は、何度見てもいい。
今回、あらためて見ていて気がついた。
この、「お見合い相手の男性」の役をやっているのは、イム・ホではないか!
イム・ホは、ドラマ「チャングムの誓い」で、チャングム(イ・ヨンエ)にフラれる、なさけない王様を演じた俳優である。
決して不細工な俳優ではないのだが、というより、「古いタイプの男前」といった感じの顔なのだが、演じる役は、なぜか情けなくフラれる、という役が多い。つまり「引き立て役」である。
ということで、イム・ホが出てくると、私たちのあいだでは、「この人、またフラれるぞ」という「フラグが立つ」のである。
映画「猟奇的な彼女」でも、さりげなくそのフラれ役を演じている。
映画の中でもとりわけ印象深いあの名場面は、そこで「受けの演技」をしているイム・ホがいればこそだったのだな、と、あらためて実感した。
これからも、何度となくこの映画を見るだろう。なぜなら、私にとって原点の映画だから。
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コメント
「偶然とは努力した人に運命が与えてくれる橋だ」(名言)
さて、チョン・ジヒョンもいよいよ結婚ということでは、今年も学生にこの映画を見せようと思っています。ちなみに、「彼女」が見合いを飛び出してキョヌを探しに行くシーンで、屋台には監督自身もエキストラで座っていますよ。
先日、映画「サニー」のDVDを発注してみたんてすが、どんなものやら。
投稿: こぶぎ | 2012年5月 8日 (火) 19時22分
「偶然とは努力した人に運命が与えてくれる橋だ」
「猟奇的な彼女」といえば、この言葉ですよね。
ロケ地めぐりを趣味とする私としては、あの「松の木」のある場所に、いつか行ってみたいです。
投稿: onigawaragonzou | 2012年5月 8日 (火) 23時35分
ソウルランドの「スカイエックス」なら、この日曜日に放送されたSBS「ランニングマン」で、ユ・ジェソクが一人でぶら下げられていたので、今でもあるようですよ。次回旅行の際には、こちらのロケ地巡りをぜひ。
投稿: こぶぎ | 2012年5月 9日 (水) 04時53分
それだけはご勘弁。
投稿: onigawaragonzou | 2012年5月10日 (木) 00時42分