イベント前日
6月15日(金)
多少、感傷的な話になる。
「吉本隆明の『他人は自分が思っているほど、自分のことを思っていない』って言葉、身にしみてわかりますよ」たびたびこの日記にも登場する、世話人代表のKさん。「僕の気持ちがわかったでしょう?」
「ええ、よく分かりました」私も最近、この言葉を噛みしめているのだ。
明日、職場のイベントにお呼びするMさんとは、実はお会いしたことがない。
2カ月ほど前、電話で講演依頼をしたのが初めてだが、初めてお話をするとは思えないくらい、まるで昔からの友人のような、気さくな人であった。
Mさんは昨年3月の震災以降、地元の文化を守る活動を続けてきた。それはおそらく、Mさんの強靱な人間性に裏打ちされた活動だったのだと思う。「いちど、Mさんをこちらにお呼びして、お話を聞きたいですね」とは、Mさんの人間性に惚れ込んだ世話人代表のKさんの言葉である。
ふだん、人の悪口ばかり言っているKさんがほめるのだから、そうとうである。
私に課せられた仕事は、Mさんをお呼びするイベントを成功させることである。
そのためには、自分がやれるだけのことをしよう、と考えた。今日の午後は、そのための準備にあけくれた。
職場の中で一人で準備をしていても、だれ一人、こちらのやっていることに関心を示さない。とくに肩書きの立派な人ほど、そうである。職員さんが、困った私を見かねて手伝ってくれるのが、骨身にしみてありがたい。
周囲のビックリするくらいの無関心さは、いまさら驚くには値しないが、周囲には、私という存在が見えていないのではないか、と、ときおり思うことがある。
お昼にMさんから電話があった。
「明日、楽しみにしています」
「こちらこそ、楽しみにお待ちしています」
明日は、Mさんが喜んでくれるような1日にしよう。
だから、イベントに何人集まろうが、そんなことは、どうでもいい。
昨年12月に「眼福の先生」をお呼びしたときも、そうだった。
自分が本当に信頼する人をお呼びして、お話を聞く。
その人の話を聞かずして、誰の話を聞く、というのか。
私は、自分が信頼する人のためにしか、動かない。
今までだって、そうだったじゃないか。
明日も、同じだ。
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