記憶に残る、1枚の写真
7月4日(水)
相変わらず、本当の意味での「陸の孤島」生活である。
本当の友人はいつも一緒にいるアルトサックスだけだな、というと、何かカッコイイ感じがするが、リアルにそうなのだから仕方がない。
お昼から、会議の連続である。
ある会議では、ミスを連発する。
こういうときの対応は、早ければ早いほどよい。研究室に戻ってから、メールで各方面に謝罪する。
なにやってるんだろうなあ、まったく。
あたりもすっかり暗くなってしまった。
そういえば今日は、先週の火曜日の授業「キョスニムと呼ばないで!」の時に出したレポート課題が提出され、私の手もとに来ていたんだった。
テーマは、「記憶に残る、1枚の写真」。
150名以上の学生から提出された文章を、一つ一つ読みはじめた。
読みはじめていくうちに、涙がとまらなくなった。
なんだよおい!みんな、めちゃくちゃいい文章を書くじゃねえか!
もちろん、このテーマのためにムリクリにひねり出した「思い出の1枚」もかなり多い。だが、珠玉の作品が意外にも多かったのだ。
なかには、とても内容の重い文章もある。泣きながら書いたんじゃないだろうか。だって読んでる私だって、号泣したもの。
もちろん、読後感が爽やかなものもある。
鬱入っているせいもあり、1枚1枚読みながら、涙があふれ出す。
すっかり夜も更けた誰もいない「陸の孤島」で、学生の書いたレポートをオッサンが読みながら、嗚咽しているなんて、誰が想像するだろう。
もし私がラジオ番組を持っていたら、絶対に読み上げたいなあ、と思う文章がいくつもあるのだ。
それほど、彼らの表現力は、すばらしい。
ふだん、学生が書いたビックリするくらい意味不明な文章を苦痛に耐えながら大量に読まされている私からすれば、このギャップは何なのか?と、不思議でならない。
ここで私は気づく。
心を動かす文章を書く秘訣は、上手いか下手かではない。「伝えたい気持ちがどれだけ強いか」である。
本当に伝えたいことがあれば、それだけで、人の心を動かすことができるのである。
一枚の写真が、自分にとって大切であればあるほど、それを人にちゃんと伝えたい、と思うものなのだ。
そのことを、彼らの文章は教えてくれる。
嗚呼、珠玉の作品たちを、ここで紹介したいなあ。
ま、しばらくは自分だけの楽しみにしておこう。
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