汗だるまの悩み
「汗だるま」という言葉は、おそらく「血だるま」から連想して作られた言葉だと思うが、汗かき(それも、尋常じゃない汗かき)の特徴を、よくとらえている。
私はまさに、「汗だるま」なのだ。
「汗だるま」につらい季節がやってきた。
研究室が「陸の孤島」に移ってからというもの、教室のある建物との往復が、けっこう面倒である。いったんおもてに出て、大通りを渡らなければならないからだ。
うっかり、授業に持っていくプリントを忘れたりすると、そのたびに「陸の孤島」に取りにもどらなければならない。
そんなことをくり返すうち、とたんに汗だくである。
まったく、不便な身体である。
汗を拭くための、やや大きめのタオルハンカチが欠かせないが、拭いても拭いても、次から次へとドクドク汗が出てくるので、常に右手にはタオルハンカチが手放せない。
ふだんはズボンのポケットに入れているのだが、それが妻に見つかると、ひどく怒られる。
「タオルハンカチをズボンのポケットに入れるんじゃない!」と。
タオルハンカチをズボンのポケットに入れると、ポケットがふくらんで、不格好に見える、というのだ。
しかし、ふだんのクセで、つい、ズボンのポケットにつっこんでしまう。
そのたびに、「コラッ!」と怒られる。
でも、ポケットに入れないとすると、じゃあどうすればいいんだ?
カバンに入れろ、といわれるが、汗は一刻の猶予もなく、ドクドクと流れるのである。カバンから取りだしている間にも、汗は流れつづける。それに「カバンからタオルハンカチを出す」という手間のかかる仕草が、より汗の量を増幅させるのである。
では、ポケットに入れず、常に右手に持っていろ、ということか?
あるいは、タオルハンカチを入れるためのウェストポーチを買って、それを常に装着していろ、ということか?
そっちの方が不格好な気がするぞ。
あとは、右手にタオルハンカチを直接縫いつけるとか、あるいは、右手の掌を、タオル地にしてもらうように整形手術をするとか、考えられることは、それくらいしかない。
タオルハンカチを、ズボンのポケットに入れることなく、ドクドクと流れ出る汗を拭うために瞬時に取りだせる方法が発明されたら、それは「ノーベル汗だるま賞」級の発明である。
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コメント
わたくしめ、幼少の頃から「ハンケチは右ポケット、ちり紙は左ポケットに」と厳しく躾けられており、今日でもお出かけ前には、きっちり両ポッケに入っているか毎回確認しております。
お陰様で、急な差し込みでトイレに駆け込んでも、なんの苦労もございません。
タオル地だろうと、あの娘が振っていた「真赤なスカーフ」だろうと、ハンケチは右ポケットに入れるのが、世間のジョーシキなのです。ハイ、これホント(佐野浅夫風で)。
とはいえ、ポケットに入る大きさの生地では、汗かきには物足りないのも事実。やはり、ここは「腰手ぬぐい」でしょう。手ぬぐいをズボンのベルトに通してぶら下げれば、バンカラ学生さんぽくて、惚れ惚れしますわん。
まにゃげ、鬼嫁さん(鬼瓦のお嫁さんの略)にまた怒られたとしても、
「「渥美清版 金田一耕助」のスタイルをオマージュしとるんじゃ! 文句あっかー!!」
とドヤシつけましょう。これで暑さもスッキリです(麦わら帽子も忘れずに被ってね)。
ついでに夫婦関係の方も、冷ややかになりますが。
投稿: こぶぎ | 2012年7月14日 (土) 12時33分
そうそう!私たちの子どものころは、「ハンカチは右ポケット、ちり紙は左ポケットに」って、教わりましたよねえ。子どものときから私も、ずっとハンカチは右ポケットなのです。
そうか、渥美清版金田一探偵風、という手があったか…。となると、もっと大きな手ぬぐいの方がいいってことになりますね。
あと、タオル地のリストバンド、というのもあって、これを手首につけておけば、すぐに汗が拭えるようなのですが、ちょっとリストバンドをつける勇気がありません。
投稿: onigawaragonzou | 2012年7月15日 (日) 01時12分