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南へ北へ

8月19日(日)

私たちの活動は、第2段階に入った。

「そろそろ自分たちの足もとを見つめなおしましょう」

世話人代表のKさんの提案で、新しい活動を始めることにしたのである。

私にはまったく経験のない仕事で、荷が重かったが、「他にやる人がいないんですよ」と、Kさんは言う。まあそうだろうな、と思う。

頼まれてもいない仕事とか、成果が形になりにくい仕事をするのは、私の性(さが)みたいなものだから、これも運命なのだろうな、と腹を括ることにした。

卒業生のダブルT君(ダブル浅野的な意味、ではない)が心強い味方である。この2人がいなかったら、やる気にはならなかっただろう。

先月くらいから少しずつ準備を始めた。学生に呼びかけたら、なんだか面白そうだ、と思ってくれたのか、5人が参加してくれることになった。これはとても嬉しかった。

さて当日。

お昼12時、総勢9人が、3台の車に分乗して職場を出発し、車で1時間半ほどかかるS市に向かう。そこで老先生をお迎えにあがり、O村に向かう。

O村で2時間ほど、地元の方と打ち合わせをし、予備調査を行う。

老先生や地元の方のお話をうかがいながらO村をめぐるのは、とても楽しく、有意義な時間だった。

だが、まったくの手探りの活動。目に見える形で成果が出るのかどうかもわからない仕事。そして気が遠くなるくらい息の長い仕事。

そのことを実感した1日だった。たぶん、これからも悩み続けるのだろう。

昨日は南のS町、今日は北のO村。

夏バテも手伝って、調査が終わって職場に戻った夕方7時過ぎには、すっかり疲れ果ててしまった。

「とても楽しかったです」と、社交辞令かもしれないが、参加した学生が言ってくれたことが、救いになった。

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