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恋は何色

9月24日(月)

終日、雨。こういう日は、しくじってばかりでどうしようもない。

職場の防災訓練用の放送のときに「恋はみずいろ」が流れる、ということが話題になった。

「恋はみずいろ」は、ポール・モーリア楽団による、イージー・リスニングの代表作である。森山良子が日本語でカヴァーして歌ったことでも知られる。

調べてみると、この「恋はみずいろ」は、各地の自治体の防災行政無線のチャイム代わりの音楽として、よく使われているらしい。

ほら、よく正午とか夕方になると、町で時報代わりに音楽が流れたりしたでしょう。あれです。

さらに調べてみると、インターネットの動画サイトに、ビックリするくらいの数の、各地で流れている防災行政無線チャイムの音楽が、アップされている。

「防災行政無線チャイムのマニア」というのが、全国には存在するらしい。

うーむ。防災行政無線の音楽の世界は、奥が深い。

流れる曲は、「恋はみずいろ」だけでなく、「ふるさと」とか「家路」とか、自治体によってかなりバラエティがあることがわかった。

そういえば記憶をたどっていくと、私の実家があった町は、「家路」が防災行政無線チャイムの音楽として流れていた。

「恋はみずいろ」を流す自治体も多く、なぜこの曲が選ばれたのか、気になるところである。

それで思い出したが、ぜんぜん違う話。

515xypzna2l__sl500_aa300_ 細野晴臣の若いころの曲に、「恋は桃色」という歌がある。まだ、細野さんがYMOを結成する前の曲である。ソロアルバム「HOSONO HOUSE」に収められている1曲である。

私はこの歌が、すごーく好きで、たぶん細野さんの曲の中で、いちばん好きな1曲である。

何より好きなのは、その歌詞である。

当時の細野さんらしく、一見わけのわからない、隠喩的な歌詞が続く。

「お前の中で雨が降れば

ぼくは傘をとじて濡れていけるかな

雨の香り このカビの臭み

空はねずみ色 恋は桃色」

さんざん隠喩的な歌詞をならべたあとで、最後にそっと、「恋は桃色」という言葉を忍び込ませるあたりが、実によい。実によいのだ。

この感覚、わからないだろうなあ。

この歌を知ったのは、かなり大人になってからだったと記憶するが、細野さんといえばYMO、そしてYMOの中ではもっぱら教授(坂本龍一)に心酔していた私にとって、細野さんの凄さを再認識した1曲であった。

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