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大半は空回り

基本的には、憂鬱な日々である。

なぜこんなに憂鬱なのか、と突きつめて考えてみると、どうやらいろいろなことが「空回り」していると感じているからである、と思い至った。

私がしていることは、大半が空回りである。

というか、人生の大半は、空回りしているのだ。

仕事の必要でインターネットを検索していたら、かつての同僚が某所に書いたエッセイが出てきた。

そこには、新学期が差し迫った時期に授業のことを考えるのはつらい、とか、何年たっても授業に慣れるということはなく、いまでも講義の前になると、相変わらずかなりのプレッシャーを感じる、とかいった文章が綴られていた。

一見、スマートで飄々としたその人は、日ごろはそんなことをおくびにも出さないのだが、実は私と同様、かなり「思い悩む人」であった。いや、ある意味、私以上に心が「どんより」する人であったのかも知れぬ。

そのことを知る人は、実はあまり多くはなかっただろう。

ときおり、思い出したかのように私のところにやって来て、他愛もない話をする。私が得意の自虐ネタをおもしろおかしく話すと、ゲラゲラと笑って、帰っていった。

私のところに思い出したように来るのは、「調子のいいとき」なのか、「調子の悪いとき」なのか、定かではなかったが、たぶん、いくぶん調子が上向きになったときだったのだろう。だから、私の自虐ネタも笑い飛ばせたのかも知れない。

私もご多分にもれず、クヨクヨするタイプだが、そんな私の話を聞いて、いささかでも心が軽くなる、というのは、やはり、根っこが同じだったからなのかも知れない。

…などと考えてみたが、たんなる私の思い過ごしかも知れない。

こんなことを書いていて、思い出したことがあった。

ちょっと前、ある女性芸人が、占い師にそそのかされて、タレント活動を休止する、みたいなことが話題になった。

その女性芸人と仲のよい友人だったある男性芸人が、「仲のいい友人だったんです。でも、そんなことを今さら言ってもどうにもならない。占いに頼らざるをえないくらい迷ったときに、こっちは頼ってもらえていないという時点で、俺に魅力がなかったということでしょう。それは俺の自己責任だ」と、日ごろ自虐ネタを売りにしている彼が、きっぱりとラジオで言っているのを聞いて、この人、本当は強い人なんじゃないだろうか、と思った。

印象に残った言葉だったので、心覚えに書きとめておく。

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