俺は「すぎちゃん」か?
10月10日(水)
職場の広報誌に、短い文章を書いた。
ある授業を担当しての感想文なのだが、タイトルを「教員だって悩むぜ!」とつけた。
私のことだから、その授業を担当して、いかに悩み続けたかを延々と書く、という、例によってマイナス思考の文章である。
私の文章の下には、その授業を受けた学生の感想文が書かれているのだが、これがじつに立派な文章である。本来、教員である私が書くべき内容ではないか、というくらい、しっかりした文章である。
これでは、どっちが教員でどっちが学生なのだかわからない。
事務室に行くと、職員さんが私に言う。
「広報誌、読みました」
今日、その広報誌が教職員全員に配られたようである。
「あ、そうですか」と私。
その職員さんが、その場にいた別の職員さんに聞いた。
「M先生の文章、読みました?読まなきゃダメですよ」
「当然読んだよ。オレ、M先生のだけは読むことにしてるんだ。他のは読まないけど」
社交辞令とはいえ、「読んだ」と言ってくれただけでもありがたい。だって、ふつうはそれほど関心をもって読んでくれることなんてないもの。
少し嬉しくなったので、つい、種明かしをした。
「あのタイトル、実はある歌の歌詞をもじったものなんですよ」と私。
「そうだったんですか?」
…さて、話は数年前にさかのぼる。
私が広報誌の編集担当をしていたとき、ある同僚に原稿を依頼したことがあった。
その同僚が書いた文章には、「作品は君に語りかける」とタイトルがつけてあった。
その同僚が言った。「あのタイトル、あるバンドのアルバムのタイトルからつけたんだ」
それを聞いて、私は必死になってさがした。そして見つけた。
「サンボマスターは君に語りかける」
これですね?と聞くと、その通り、と答えが返ってきた。
私が驚いたのは、その同僚のイメージからして、およそサンボマスターを聞くとは思えなかったことである。
そして、もし今度私が原稿を依頼されたら、同じように、自分の好きな歌の歌詞をもじったタイトルをつけよう、と考えたのである。
…話を戻す。
「さて、何という歌の歌詞でしょうか?」と私。
「歌の歌詞ですか…」
「そうですよ」
「さっき、ここで話題になっていたんですよ。あのタイトル」
「そうだったんですか」
「絶対に『すぎちゃん』のギャグをもじったんだろうって、みんなで言ってました」
す、す、す、すぎちゃん????
すぎちゃんって、「○○だぜえ」って言うお笑い芸人のことか?
私は昨年以来テレビを見ていないので、すぎちゃん、という人をテレビで見たことがないのだが、「○○だぜえ」とか「ワイルドだろう?」とか言う人、というくらいは、知っていた。
読者の多くは、私が「すぎちゃん」の流行のギャグをもじってタイトルをつけた、と思っている、ということかぁぁぁぁ!!!
かなりさむいぞ。エド・はるみのギャグ「グ~」を言うくらい、さむすぎる!
これではまるで私が、若者の歓心を買おうと流行におもねったタイトルをつけたと思われるではないか!
まさか「すぎちゃん」のギャグだと思われていたとは、考えもしなかった。
「違いますよ!」私は反論した。「あるバンドの歌に出てくる歌詞をもじったんです!」
「はあ、そうですかぁ」
ああ、せっかく凝ったタイトルをつけたつもりだったのに、「すぎちゃん」だなんて!
あ~、もういいや。もう「すぎちゃん」でいいです。たぶん、正解がわかる人なんて、いないと思うし。
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コメント
フラワーカンパニーズ 「元少年の歌」
http://www.youtube.com/watch?v=bWOKadgEoxc
投稿: こぶぎちゃんだぜぇ~ | 2012年10月11日 (木) 00時42分
正解です。さすがはこぶぎさん。
ま、このブログでも、何度となくとりあげていますからね。この歌のことは。
投稿: onigawaragonzou | 2012年10月11日 (木) 22時23分