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腕を上げたか

11月12日(月)

先週、授業のコメント欄に1年生たちが描いた私の似顔絵は、全然似ていなかった

たぶんこれには理屈があって、たとえば、私をよく知る4年生が私の似顔絵を描くと、じつによく特徴をつかんだ似顔絵を描いたりする。

つまり、私のことをよく知っている人は、たぶん、私の似顔絵を描くのが上手いのである。

反対に、私のことをよく知らない人は、あまり似ていない似顔絵を描く。

「上手い似顔絵を描く」秘訣は、その人物に関心を持つかどうか、にかかっているのだ。

その点、1年生たちは、私のことを全然知らないし、私にさしたる関心があるわけでもない(もっとも、私に関心のある人など、そもそもいないのだが)。

「ものまね」だってそうである。

上手いものまねをする秘訣は何か?

それは、その人に興味を持つことである。

清水ミチコさんが、なぜ、矢野顕子やユーミンのものまねが上手いのか?

それは、清水さんが、矢野顕子やユーミンを、心の底から信奉しているからである。

…そんな話を、今週の授業のマクラでした。

「ですから、いいですか。もうコメント欄に、似てない似顔絵を描いてはいけませんよ!」

そう釘を刺した。

しかしこれが学生たちには、ダチョウ倶楽部の「危ないから押すなよ!絶対に押すなよ!」というギャグだと勘違いされたらしい。

「描くな」ということは、逆に「描け」ということか、と勘違いして、コメント欄に似顔絵を描いてくる学生が何人かいた。

やれやれ、と思いつつ、見てみて少し驚いた。

(前回より、少し似ているんじゃないだろうか…)

いや、間違いなく、前回よりも腕を上げている、ような気がする。

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とくに下の絵は、左手にマイクを持ち、右手に汗ふきタオルを持って、顔の汗をぬぐいながら授業をしている私の特徴をじつによくつかんでいる。

ただし今回これらを描いた学生たちは、必ずしも前回描いた学生たちとは一致しない。はじめて描いた、という学生もいるのだ。つまり、ひとりの人間が徐々に腕を上げていく、というのではなく、集団で上達している、ということなのである。

このまま腕を上げていくと、授業の最終回の頃には、ビックリするくらいよく似ている似顔絵が完成するのではないだろうか?こうなるともう、一種の実験である。

…いや、待てよ。

肝心の授業は、ちゃんと聞いているのか?

次回こそは、「もう絶対に、似顔絵を描くな!」と、注意しよう。

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