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今度は旅先で会いましょう

11月23日(金)

大学時代の恩師がめでたく傘寿を迎えたというので、お祝いの会に出席した。

会場の受付で名前を書き終わり、会場の中に入ろうとすると、私の方を見てにこやかに手をふる男性がいる。

今日のこのお祝いの会は、弟子を中心にした集まりなので、「一門」の兄弟子たちの顔と名前はだいたいわかっていたつもりだが、私に向かって手をふっている男性の顔は、思い出せない。

とりあえず会釈するがやはり思い出せない。

近づいていって、背広の胸ポケットにつけている名札を見て、驚いた。

U君だ!私と同期のU君!

U君を含めた同期の仲間とは、大学時代、しょっちゅうつるんでいていたのだが、大学卒業後に彼が一般企業に就職し、数年たつうちにすっかり会う機会がなくなってしまった。だから会うのは20年ぶりくらいである。

20年ぶりであっても、たいてい顔くらいは覚えているものなのだが、なぜ私はU君であると気がつかなかったのか?

それは、U君が、ビックリするくらい痩せていたからである!

「激やせ」どころの話ではない。

「見違えちゃったよ」と私。

「そうだろう」

「いま、体重何キロなの?」

「70キロ」

な、な、70キロ??!!!

私は驚いた。

だってU君は、大学時代に体重が120㎏あったんだもの。

50㎏の減量である!

50㎏といったらあーた、人1人分くらいの体重ではないか!

つまりU君の減量により、この世から人1人が消えてなくなった、ということになる。

いまや私の方が、かつてのU君に近くなっている。

「どうやって痩せたの?」私は聞いた。

「うーん、食事を気をつけたことかな」それだけしか言わなかった。

会場にはもう1人、大学を卒業してから公務員になった同期のO君も来ていた。彼とも約20年ぶりである。

学部時代、恩師の薫陶を受けた同期は、私を含めて5人いた。I君、U君、E君、O君、そして私である。このうちI君と私が、大学院に進み、あとの3人は就職した。

「E君はいまどうしているの?」私はU君に聞いた。

「E君はいま、会社で部長だぜ」

E君が部長?!!これもまた驚きである。なぜならE君はビックリするくらい内気な性格で、大学時代は私たち同期の4人くらいとしか心を開いて話さなかったからである。こんなに内向的で大丈夫なんだろうか?と、心配したものだが、いまやその彼も一流企業の部長なのだ。

「…で、いま、婚活しているそうだ」U君は続けた。

なるほど、まだ独身なのか。

思い出したぞ。E君が就職して1年目くらいのときだったか。E君があまりにも内気で、女性と話すこともできないというので、彼のために一度「合コン」を企画したことがあった。…といっても、私を含めた同期の面々は、「合コン」というものがどういうものかわからなかったので、結局その合コンは大失敗に終わったのだが…。

「…で、あなたは?」

「私も同じだよ」とU君。彼もまだ独身なのだ。

「O君は?」

「おかげさまでなんとか」

I君は独身だし…ということは、私の同期5人のうち、独身者が3人もいる、ということか…。高校時代の友人といい、相変わらず私の周りは、独身率が高い。

お祝いの会が無事終わり、U君とO君と私の3人で、喫茶店でささやかな同窓会、というか、「男子会」である。

大学時代のことはほとんど忘れていたが、お互い話しているうちに、ぼんやりと思い出してきた。

彼らとは、ほんとうによく貧乏旅行をした。とくに、関西のとある村里には、何度も一緒に旅行した。U君のお気に入りの村である。

U君はいまでも1人で、その村を1年に何度も訪れているという。

その村がいかにすばらしいかを力説するU君。その語り口は、20年前のままである。

あっという間に時間がたち、コーヒー1杯だけの「男子会」は終了した。

「それじゃあまた」と私。

「また、みんなで一緒にあの村に行こうよ」

「そうだな。今度は旅先で会おう」

再会を約束した。

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