似てない似顔絵
11月5日(月)
1年生向けの午後の授業では、いつも、何かしらハプニングが起こる。
授業の最初、オープニングトークで例の「さかなクン」の話をしていたら、授業のために用意していたパワーポイントの映像が突然消えてしまった。
いくらパソコンを操作しても、パソコンの画面は真っ暗のままである。どうやらノートパソコンじたいが壊れてしまったらしい。
とくにこの1年生向けの授業では、ちょっとしたハプニングで授業が停滞したりすると、130名もの学生を待たせることになってしまう。例によって焦りの汗が出てきた。
急いで事務室に走っていって、別のパソコンと交換してもらう。
別のパソコンを立ち上げ、ようやく画面が復旧した。かなりの時間のロスである。
「時間がかかってしまってごめんなさい」まず私がみんなに謝る。
「たぶん、ムダ話をした罰だと思うんですよ」私は、授業の本筋とはなんの関係もない、さかなクンの話をしたことをひどく後悔した。
「それか、私、この職場で嫌われているので、地味な嫌がらせなのかもしれません」例によって、被害妄想がはじまった。
さらにマイクの接触が悪いのか、マイクの音もとぎれとぎれである。
「ほら、このマイクも、音がとぎれとぎれでしょう。絶対、私に対する嫌がらせです」
学生たちは失笑していた。
無事に授業が終わる。
毎回、出席カードの裏にコメントを書いてもらって、授業の最後に提出してもらっているのだが、
「先生、機械にめげないでください」「先生ポジティブになってください!」「大丈夫、きらわれてなんかいませんよ」「先生元気出してください」「さかなクンの話、おもしろかったです」「先生負けないで!」「先生、どんまい!」
と、なんと、ビックリするくらいたくさんの励ましのコメントが!
出席カードの裏に書かれたコメントはすべて、ノーカットで、私がパソコンに打ち込んで、翌週の授業のときに、プリントアウトしてみんなに配布することにしている。これは、むかしから一貫して続けている、私の方針である。だから、どんな言葉が書かれていても、カットせずに、打ち込まなければならない。
自分に対する励ましの言葉を自分でパソコンに打ち込んでいて、情けないやら、恥ずかしいやら、である。
そして、もうひとつ恥ずかしいことが。
先週くらいから、出席カードの裏に、コメントとともに、私の似顔絵とおぼしき絵が、ちらほらと見られるようになった。
困るのは、その扱いである。
「すべてのコメントをノーカットで掲載して、翌週の授業で配布する」という方針からすれば、この絵も掲載しなければならない。さてどうしたものか。
私は先週の授業で、こう言った。
「出席カードの裏に、私の似顔絵らしきものが描かれてあるのがありましたが、あまりにも似ていないので、掲載しませんでした。似ている絵でないと、掲載しません」
この発言が、逆効果となった。
今週は、さらに似顔絵を描く人が増えたのである。
それにしても、似てない似顔絵ばかりである。なかには、悪意があるんじゃないか?と勘ぐりたくなるような似顔絵もみえる。
学生たちの目には、私がこんなふうに映っているのか、と思うと、落ち込むばかりである。
しかし、「すべてのコメントをノーカットで掲載する」という方針は、貫かなければならない。
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コメント
取材先で発見。もしメガネをかけていれば激似だと思うんですが、いかんせん当時はまだ伝来してなかったのかしら。
http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/091127-1.html
投稿: こぶぎ | 2012年12月22日 (土) 10時44分
仕事が一段落したので、たまっていたコメントを一気に放出しましたな(笑)。
投稿: onigawaragonzou | 2012年12月23日 (日) 01時10分