ドキッ!オッサンだらけのクリスマスパーティー(しかも1日遅れ)
12月26日(水)
昨晩、携帯電話の着信音が鳴った。見ると、「前の職場のKさん」からである。電話をとると、
「どーもー、こぶぎです」
こぶぎさんからである。こぶぎさんは携帯電話を持っていないので、Kさんの携帯電話を借りたのであろう。
「いま、Kさんと一緒にいるんです」
なんと、クリスマスの晩を、同世代のオッサン2人で過ごしているというのだ。
「いま決まったことなんですけどね」とこぶぎさん。「明日、3人でクリスマスパーティーをやることにしましたから」
「3人?」
「ええ、わたくしめと、Kさんと、おじさんの3人で」
「おじさん」とは、私のことである。みんなおじさんなのだが。
「あれ?あんまり驚いていませんね」とこぶぎさん。
「いや、…あんまり出し抜けだったもので…しかし、この大雪ですよ。どうするんです?」
「前の職場」は、日本でも有数の豪雪地帯にあるのだ。私の勤務地が相当な大雪だということは、「前の職場」は大変なことになっているはずである。
「そっちに行きますよ」とこぶぎさん。「いつものガストで集まりましょう。もし、大雪で通行止めにでもなったらまた連絡します」
おいおい、ガストでオッサン3人がクリスマスパーティーかよ!しかも1日遅れの!
だが、そのためにわざわざ大雪の道を50㎞も運転してくるのだから、文句は言えない。
さて、今日の夕方。
いつものガストで待ち合わせることになっていたので、少し早めに来て駐車場で待機していると、電話がかかってきた。
「予定変更です。醤油スパゲティーの美味しいパスタ屋に来てください」
ということで、車で10分ほどかかる、醤油パスタ屋さんに移動した。午後7時過ぎ、店に到着すると、すでにこぶぎさんの車は到着していた。
「死ぬかと思いました」とこぶぎさん。「まるでリアル・インディージョーンズですよ」
豪雪地帯の町から、50㎞の道のりを、決死の思いでやってきたのだ。
そこまでして会いに来てくれる友人は、そうはいない。私は2人に感謝した。
「今日はクリスマスパーティーですから、醤油パスタとケーキセットを注文しましょう」
なんだか女子会みたいでキモチワルイが、まあ3人が集まると、いつもこんな感じになるのだから仕方がない。
だが話題は、「ガールズトーク」とはまったく逆のものばかりである。
まずはブログの話題である。
こぶぎさんもブログをやっているが、こぶぎさんのブログの書き方というのが、なかなか面白い。
それは、あらかじめ半年分のブログ記事を一気に書いておいて、それを定期的に自動更新する、というやりかたである。
言ってみれば、いま公開されている記事は、すでに数カ月前に書いた記事なのである。
「どうしてそんなことをするんです?」
「だって定期的に更新するのが面倒でしょう。あらかじめまとめて書いておけば、定期的に更新する必要もない」
なんだかわかったようなわからないような説明である。
「じゃあ、新たに何か記事を書きたくなった場合はどうするんです?」
「そのときは、途中にその記事をはさんで、あらかじめ書いてある記事の公開時期をずらすんです。これがけっこう面倒くさい」
なんだ、結局面倒くさいんじゃないか。
次に話題になったのが、先日亡くなった、小沢昭一さんについてである。
「今日はこの人の話題をしないとねえ」とこぶぎさん。
3人のいずれもが、小沢昭一さんに、一定の思い入れがあるのだ。
ラジオの「小沢昭一的こころ」を昔から聞いていたせいかもしれない。
しかし、3人にはそれぞれの思い入れというのがある。
ラジオのパーソナリティーとしてリスペクトしているこぶぎさん。
「放浪芸」など、芸能史の語り部として尊敬しているKさん。
若いころの、役者としての怪演ぶりが印象深い私。
こぶぎさんが言う。
「知ってる?小沢昭一さんが亡くなったあとも、ラジオの『小沢昭一的こころ』は続いていたんだよ」
「どういうことです?」
「小沢昭一さんが亡くなったのが水曜日。同じ週の金曜日に車を走らせながらラジオを聞いていたら、まだ『小沢昭一的こころ』を放送していたんだ。過去の名作選だけどね」
「なるほど」
「そこで知ったんだ。『虎は死して皮を残し、小沢昭一は死してラジオを残した』のだと」
いい言葉だ。今日いちばんの名言である。
「小沢昭一的こころ」は、これからも生き続けるだろう。
まあ、そんな感じで、あれやこれやと話しているうちに、店員さんがやってきた。「そろそろ閉店です」
時計を見ると、午後10時である。会計をすませてお店を出ると、ビックリするくらいの冷え込みである。
「どうします?」いつもなら、日付が変わるくらいまで話し続けるのだが、今日はこの天候である。
「今日は帰ります。たぶんこれ以上遅くまでいると、帰り道で死んじゃいますから」
こぶぎさんとKさんは、車に乗り込んだ。
「帰り道、気をつけてくださいよ」
「万が一私が死んでも、ブログはその後も自動更新されますからね」とこぶぎさん。
「『虎は死して皮を残し、こぶぎさんは死してブログを残す』ですね」
「そのとおり。じゃあよいお年を」
「よいお年を」
凍えるような夜の雪道を走り、2人は豪雪地帯の町に帰っていった。
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コメント
こぶ子 無事着きましたぁ(ハート)。
ふーみん でもこぶ子さぉ、行きは出発後10分も経たないうちに、ひどい目にあったよねー。
こぶ子 圧雪路を走行中、車の片輪が何かに乗り上げてバランスを崩し、車が回転しかけて反対車線へはみ出たから(実話)。
ふーみん こぶ子がとっさにカウンター当ててバランスを取り戻したのと、対向車が来なかったのが超ラッキーだったけどね。
こぶ子 ふーみんたら、そのあとメーター見ては「スピード出し過ぎです」って。自校(自動車学校)の教官じゃないんだから(ウケルー)。
ふーみん それがY市に入ったら、あまりの降雪量のなさじゃん、もおズルいって(ぷいんぷいん)。
こぶ子 でも楽しかったでしょ、女子会の「クリパ」(「クリスマスパーティー」の若者風略語)。
ふーみん そうだね(^_^)v。お醤油スパもガッツリ食べたし、お店も雰囲気もよかったし。
こぶ子 最後のデザートでチーズケーキにメロンソーダは合わなかったけど(笑)。
ふーみん でも、鬼子ちゃんは最近、女子会に参加してないから、真の女子会が何たるかをよく知らないみたーい。
こぶ子 そうかも。イマドキの女子会の話題っていったら、コスメと恋愛と小沢昭一だもんね。
二人 DA・YO・NE(だ・よ・ね)(市井由理@東京パフォーマンスドール風に)。
ふーみん 明治村の村長は誰がするのかとか、出演した映画で、主役だった国民的俳優を完全に食っているらしいとか、永六輔の恩人だったとか、もお話題持ちきりじゃん。
こぶ子 他にも、「フュージョンvs邦楽」合奏自慢とか「劇伴」がらみの無駄遣いとか、現代音楽は打楽器に注目とか、イケテる女子なら、この程度はトークのマスト・アイテムだよね。
ふーみん 後は恒例の、ブログ記事のあんなとこ、こんなとこの教え合いをしたり、ブログに書けないネタのぶっちゃけトークもあったねー(フフフ)。
こぶ子 「ブログに書けないぶっちゃけトーク」とか言っても、既にかなり踏み込んだ内容をブログに書いちゃってますけどー(笑)。
ふーみん イニシャルトークで誤魔化してるものの、なんであんなに身を削ってまで毎日ネタ書いてんだか(ウケルー)。
こぶ子 だから、ブログに書けない話というのは、けっこう苦労してネタを仕込んだのに、日の目を見なかった「没ネタ」を披露しあうことなのれす。
ふーみん でもさあ、没ネタとゆーか、女子会での「直接対決」トーク用に「隠しネタ」として仕込んでいるとしか思えないんですけどお。
こぶ子 確かに、鬼子の大ネタとか、「FOF(フリ・オチ・フォロー)」の構成が完璧過ぎじゃん。
ふーみん あれぇ、結構「手の内見られてる」?。
こぶ子 おっ、今日の女子会の名ゼリフ出たあ。よっしゃあ、これからも、手の内みせて行こー。
二人 キャハハハ。
投稿: 女子会お疲れサマー(こぶ子) | 2012年12月27日 (木) 11時14分
A:司会者・利根川裕
B:トレンドウォッチャー・西川りゅうじん
A「ほほう。これが女子会というものですか」
B「そうです」
A「しかしどうして醤油パスタのお店なんです?」
B「知らないんですか?利根川さん。今年は、醤油パスタブームが来ているんですよ」
A「知りませんでした。また、どうしてです?」
B「いま、『ソース顔』ではなく『しょうゆ顔』の男性がモテているでしょう。だから醤油がいまブームなんです」
A「ほほう」
B「あと、ツイッターです」
A「何です?それは」
B「知らないんですか?今どきみんな、140文字でつぶやいてますよ。ほら、いまも私、本番中ですけど、『トゥナイトなう』って打ってますから」
A「なう?それは、『ナウい』ということですか?」
B「そうです。いま、『トゥナイト』がナウい、ということです」
A「ほほう。でも、醤油パスタがブームなわりには、お客さん、ガラガラでしたね。店員さんもヒマそうにしていましたよ」
B「そりゃあ、あんなクソ寒い夜に、わざわざ外でパスタを食べるやつなんていないでしょう」
A「ほほう。あとわからなかったのは、DA・YO・NEです。あれは何です?」
B「知らないんですか?利根川さん!いまめちゃめちゃはやっているヒップホップですよ!大阪の「SO・YA・NA」とか、北海道の「DA・BE・SA」なんてのもありますよ」
A「ほほう。今でいうAKB48とかSKE48とかNMB48とかHKT48などと同じようなネーミングセンスですな」
B「……」
A「あと気になったのは、昨日のパスタ屋での女子会をVTRで見ていて、ふーみんさんのお話がですねえ」
B「ええ」
A「聞いていて、着地点が見あたらないというか、『この話、私たちをいったいどこに連れていくんだろう?』みたいに感じたのですが」
B「利根川さん!それこそ、女子会の王道トークです」
A「どういうことです?」
B「聞いているうちに、(あれ~?この話、私たちをどこに連れていくんだろう?)という、着地点が見あたらないトークこそが、女子会で最も必要とされるスキルなのです!」
A「ほほう。今日はとても勉強になりました。ゲストはトレンドウォッチャーの西川りゅうじんさんでした。ありがとうございました」
B「ありがとうございました」
投稿: onigawaragonzou | 2012年12月28日 (金) 00時13分
土佐司 ご主人様、始まりましたよ、「トゥナイト」(テレビ朝日)。
ぼく ガチャガチャガチャ(画面を凝視中)。
土佐司 しかも、ファンタジーな文体に乗じて、リアルなダメ出しをふーみんに、かましていますよ。
ぼく ガチャガチャガチャ。
土佐司 なんか、ものすごい速さでコメント打っていますけど、一体何をそんなに急いでいるんですか、ご主人様
ぼく しくろー(うるさいー)! あのねえ、韓国の紅白歌合戦第1日目のKBS「歌謡大祝祭」が始まってるんだよ。今年は少女時代が日本の年末特番に出ないから、こっちでは、いきなりユナが司会しているというのに、このパボコメントを打っているので、肝心のテレビ画面が入力画面に隠れて見えないんだ(実話)。早く打ち終わりたいんだから、邪魔しないで。
土佐司 まったくオタクは、これだから駄目だワン。
ぼく だけどさあ...
土佐司 何です、ご主人様。
ぼく 最後のオチは、映画「私をどこかに連れてって」がよくなくなくなくなくなくなーい(「今夜もブギーバック」風で)。ふーみんへのディスと、90年代のホイチョイネタのフュージョンで落とさないとね。
ふーみん (小声で)そのオチも、そんなにうまくないですけど...
投稿: こぶぎ | 2012年12月28日 (金) 21時44分
(3時間後)
ぼく (がっくり)
土佐司 ご主人様、「KBS歌謡大祝祭」終わっちゃいましたワン。
ぼく せっかく徹夜して最後まで見てたのに、少女時代が出演しないなんて...(KARAは出てたけど)。
土佐司 結局、少女時代ユナは、司会してただけでしたワン。
ぼく カムバック前の出し惜しみ作戦とはいえ、スケジュールが空いてるのに「韓国の紅白」で唄わせないなんて、そんなのありかよ(涙目)。
土佐司 上のコメントだって、相当慌てて打ち込んでいたのに、骨折り損だワン。何か打ち間違いでもしてなければいいのに。
ふーみん ...
土佐司 (耳をピンと立てて)何か言いましたか、ふーみん?
ふーみん (小声で)あのー、さっきのコメントの映画名、「私をスキーに連れてって」の間違いだと思うんですけど...
投稿: こぶぎ | 2012年12月29日 (土) 00時40分
A:司会者・利根川裕
B:ディレクター
B「お疲れさまでした」
A「ああ、お疲れさま。あのトレンドウォッチャー、微妙に間違ったこと言っていたな」
B「そうですか。気づきませんでした。…ところで、先ほど視聴者からクレームの電話が来まして…」
A「え?どんな?」
B「ふーみんさんにリアルなダメ出しを出すな、ふーみんさんをディスるな、と」
A「それは誤解だよ、君。私はディスってなんかいないぞ。あれはあれで、じつに味わい深い個性なのだ。こぶ子、ふーみん、鬼子が三者三様のトークをしているから面白いのだ」
B「そうですね。私もそう受けとめていました。でもふーみんさんのことですから、きっと気にされるかも知れませんね」
A「さっそく、私からふーみんさんにお詫びのメールをしておこう。決してダメ出しではない、と」
B「それがよろしいかと」
このあと、ふーみんさんにお詫びのメールを出しましたとさ(実話)。
投稿: onigawaragonzou | 2012年12月29日 (土) 13時08分
こらこら、「ふーみん」は実在しない、ファンタジーの世界のキャラクターなんですから、実際にメールとか出してはいけません(笑)。
でも、女子会トークの「ガヤ」的存在から、コメントの中であっという間に成長して、いいキャラクターに育ちましたな。だって、最後に小声で普通のことを言って、それでオチをつけてくれるのですから、重宝しまっせ。
どうでもいいですが、若い頃の西川りゅうじんに会ったことがあります。
投稿: こぶぎ | 2012年12月29日 (土) 14時42分