プレゼント力がない!
12月24日(月)
姪が、12月15日(土)に、1歳の誕生日を迎えた。
伯父としては、誕生日プレゼントを用意しなければならない。
その数日前、地元のデパートのおもちゃ売場に行くと、そのほとんどをアンパンマン・グッズでしめられている。
「アンパンマンは人気なのですか?」と店員さんに聞くと、「そうです」という。
私はアンパンマンにとくに思い入れがあるわけではなかったが、「おいかけっこアンパンマン」というおもちゃを買った。アンパンマンのぬいぐるみの頭をポンとたたくと、アンパンマンがぐるぐると回りながら移動するので、さながら追いかけっこをする気分になれる。「対象年齢1.5歳以上」とあるから、ちょうどよいのではないか、と思ったのである。
誕生日の前日にプレゼントしたのだが、ところが姪は、ぜんぜん見向きもしない。私はなんべんもアンパンマンの頭をポンとたたくのだが、アンパンマンは、姪に追いかけられることもなく、むなしく床の上をぐるぐる回るだけである。
それどころか、アンパンマンの顔を見て、怖がって泣き出す始末である。
「どうもあのオレンジ色の鼻とほっぺが、気に食わぬようです」と、姪の母である義妹が言う。
うーむ、失敗だったか。
そしてほどなくして、今日のこのクリスマスイブである。リベンジの機会と思い、「姪にクリスマスプレゼントをあげなくていいのかなあ」と妻に聞くと、
「いいんじゃない。誕生日プレゼントをあげたばかりだし」と言う。
それもそうだな、と思って何も用意しないでいると、クリスマスイブのこの日、韓国に住む妻の友人のへジョンさんから、東京の家に航空便が届いた。
中を開けてみると、姪へのクリスマスプレゼントが入っているではないか!しかも、非常にかわいらしい洋服である。
「まあ、よかったわねえ」家族は大喜びである。
私は、居たたまれなくなった。はるばる韓国から、プレゼントを贈ってくれる人があるかと思えば、私などは昨日今日と、三度三度、タダ飯を食べては合間にグーグー寝ているという生活である。
「本当に、クリスマスプレゼント、いいのかなあ?」
「いいんじゃない」
結局何も買わずに、夕方、勤務地にもどることになった。
だが、やはり何となく後ろめたくて仕方がない。
いまから、姪にクリスマスプレゼントを贈る手はないだろうか?
新幹線の中で考えたあげく、「クリスマスカード」というのを思いついた。
インターネットで、クリスマスカードのフリー素材を見つけて、それをダウンロードして、そこに、今日撮った姪の写真をうまくレイアウトしてクリスマスカードを作り、それをメールに添付して送る。
そうすれば、クリスマスにも間に合うし、喜ばれるのではないか?
家に着いて、さっそくクリスマスカードのフリー素材をダウンロードして、今日撮ったばかりの姪の写真をレイアウトして、妻のメールアドレスに添付して送った。
突然こんなのを送ったら、サプライズ・プレゼントみたいで喜ぶだろうなあ。
しばらくして、妻から携帯にメールが来た。
「ダウンロードに3分もかかりました」
メールの第一声がこれである。この短い表現の中に、面倒くさいことをしやがる、手間をかけてダウンロードしたわりにはたいしたことはない、というか私には何もないのかよ!といった、さまざまなニュアンスがこめられているようだった。
嗚呼、よかれと思ってすることが、いつも裏目に出るんだな。
ほんとうに私には、プレゼント力がない。
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