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スウィングする人たち・2日目

1月12日(土)

翌朝、9時に、R市からお招きしたKさんとOさんを車でお連れして、駅前の公共施設に向かう。午前中は、ここで意見交換会である。

土曜日の午前中にもかかわらず、のべ23人もの人が来てくれた。震災復興がかかえているさまざまな問題を聞くことができた。

お昼過ぎ、「丘の上の作業場」の近くにあるおそば屋さんでおそばを食べる。

昼食後、「丘の上の作業場」をみていただき、2時半過ぎ、50㎞離れた「前の職場」に向かう。ここでもまた、作業場を見てもらうのである。

午後4時、大雪が降る「前の職場」に到着し、1時間ほど、作業場を見ていただいた。

午後5時、「前の職場」を出発し、午後6時半、市内の駅前のホテルに到着した。お二人は今日ここにお泊まりになり、明日朝、R市にもどられるのである。

「2日間、どうもありがとうございました」とKさん。

「こちらこそ、ありがとうございました」

「みなさんとお会いできて、本当によかったです」

「私もお呼びすることができて、夢が実現しました」

「今後とも、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

長かった二日間が終わった。

とても疲れたが、お二人には、来てよかったと思ってもらえたと思う。

「無事に終わって、よかったねえ」

二日間の一部始終を見ていた妻が言った。

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コメント

 01:30(ゼロヒトサンゼロ)。ああ、ついに天は我を見放したか。K兵曹を宿営地まで送る任務の途中、わが戦車が吹雪の海に飲まれて立ち往生するとは。

 緊急用に積んであるスコップで雪を掘り、脱出用具を使うも、タイヤは空回りで歯が立たない。同乗していたK兵曹が後ろから戦車を押したが、やはりぴくりとも動かない。職場からわずか数百メートルの、この住宅街の小道で、まさかの「遭難」である。

 万事休すと救援隊を要請したものの、到着は1時間半後との返事。その通話で運悪く無線機の電池が切れたので、充電のためにいったん宿営地に徒歩で戻ると言い残して、K兵曹は漆黒の吹雪の中へと消えていった。

 残された俺は、戦車内でじっと救援を待つしかない。しかしながら、残り少ない燃料が切れれば車内の暖を失う。この猛吹雪の中では、それは最悪の事態を意味することになる。

力抜山兮気蓋世 時不利兮騅不逝
騅不逝兮可奈何 虞兮虞兮奈若何

(力は山を抜き、気は世を蓋う。時に利あらず、騅馬が逝かない。騅馬が逝かないのをどうしようか。虞美人や、お前をどうしようか)

最早、ここまでか。

 急に、どこかのブログで以前読んだ、こんな言葉が頭をかすめた。

「人間はスイングする者と、スイングしない者の2種類に分けられる」

 あきらめるな。俺はまだ、スイングしていないじゃないか。もし我が巨体をスイングさせたら、「振り子理論」でこの危機を脱出できるかもしれない。

 再びエンジンをかけ、フルアクセルで前進後退を繰り返しながら、全身全霊を込めて、運転席で何度も体を前後にスイングさせる。

「こ、こいつ動くぞ・・・。」(アムロ・レイ風に)

 デブ体型が役立つ時が来た。スイングによる前後振動で、差し込んである脱出用具を「古本屋みたいなタイヤ屋」で買ったばかりの新品タイヤが捉えたのだった。

 この機を逃してなるものか。一気加勢にアクセルを踏み込み、バックで元の道まで抜け出すことができた。

 時刻は既に02:20(ゼロフタフタゼロ)。戦車を近くの711(ナナヒトヒト)商店(開いててよかった)の駐車場に避難させると、徒歩でK兵曹の救出に向かう。

 あいにく、K兵曹の携帯無線機の番号は職場に戻らないと分からないが、以前「ピンポン・ダッシュ」をしたことがあるので、宿営地自体の場所は分かるのだった。

 太ももまで埋まる雪道を踏み進んで、K兵曹の宿営地に着いたものの、部屋に灯りがない。遭難現場に再び戻ろうと、既に宿営地を出発したのだろうか。靴の穴を辿りながら、追うように現場へ向かう。

「K兵曹は何処、Kはいずや~」

 叫びながら雪道を進むが、吹雪の先の暗闇に、人影は見えない。

「K兵曹は何処、Kはいずや~」


 果たして、K兵曹の運命やいかに。

投稿: こぶき中佐 | 2013年1月19日 (土) 06時10分

「天は我々を見放した- 日露戦争前夜、こぶぎ中尉率いる豪雪第五連隊は、K兵曹と「八こぶ田山」を雪中行軍することに。真っ向から「八こぶ田」に挑んだ豪雪第五連隊は、目的地を見失い吹雪の中を彷徨し、遭難する。あの名作『八こぶ田山 死の彷徨』を、黒澤明の弟子が完全映画化!」

…というかこれ、この日、夜中まで職場で仕事をしていたこぶぎさんとKさん。仕事が終わり、職場からわずか数百メートルしかはなれていないKさんの家に、こぶぎさんがKさんを車で送ろうとしたら、こぶぎさんの車が吹雪の中でスタックして動かなくなり、Kさんが持っている携帯電話でロードサービスを呼んだものの、こんな天候だから忙しくってなかなか来てくれそうにない。そのうちに携帯電話の充電が切れちゃったんで、「いったん充電してきます」と言って、Kさんは車を出て猛吹雪の中を数百メートル先の自分のアパートまで歩いていった。一方こぶぎさんは、ロードサービスがいつ来るかもわからないから、それじゃあってんで、自らの体重をかけながらアクセルを思いっきり踏んだら、買ったばかりの冬用タイヤが功を奏して、なんとか1時間近くかけて自力で脱出。吹雪の中を歩いて帰ったKさんのことが心配だが、こぶぎさんは携帯電話を持っていないので、連絡をとることもできない。仕方がないので、いったん車を近くのコンビニに置いて(融雪設備のある駐車場だからね)、かつてピンポンダッシュしたことのあるKさんのアパートの前まで行ってみたが、電気がついてなくて、ひょっとしたら行き違いになったんじゃないかと心配した、という話でしょう?

それを、まるで『八甲田山』なみの文章に仕上げる力はすごい。文章が凝りすぎていて、たぶんほかの読者にはわからないと思い、いちおう解説しておきました。それにしても、凄い大雪だったんですなあ。K兵曹は大丈夫だったんですか?

投稿: onigawaragonzou | 2013年1月19日 (土) 18時27分

結局逢えずじまいでしたが、K兵曹から電子郵便で打電がありどうやら無事の様子。アパートに戻ってからも駐車スペースの除雪やらブログ執筆やらで朝6時までかかり、お陰で、今日は一日疲労で寝こんでおりました。

投稿: こぶぎ中佐 | 2013年1月19日 (土) 22時54分

ブログ執筆?コメント執筆ではなく?おいおい、つい本心が出ちゃって、完全にやどかりブログ化してますなあ(笑)。それにしても、こんなに面白いネタを、どうして自身のブログに書かずに、こっちのコメント欄に書くかなあ(笑)。まあ、ゲラゲラ笑わせてもらっているからいいんですけどね。

投稿: onigawaragonzou | 2013年1月19日 (土) 23時13分

K兵曹の証言。

「自分は無事であります。宿営地にたどりついて無線機の充電を終えたあと、再び戦車の立ち往生した現場に戻りますと、戦車が消えているではありませんか。救援隊が来たのか、自力で脱出したのかわからなかったのでありますが、とりあえず何事もなかったことにして宿営地に戻ったのであります。長靴の高さを超えて膝までかかる雪の中を、遭難現場と宿営地、都合1往復半したことは、壮絶な体験であり、危うく宿営地を見失うところでありました。救援隊からこちらの無線機に連絡が入ったことなど、ほかにもいろいろな事故がありましたが、本日の報告はここまでとさせていただきます」

投稿: onigawaragonzou | 2013年1月21日 (月) 23時09分

 あにあに。こちらの戦況報告コメント以外に、自分のブログにも偵察用ライブカメラリンク集を書いたのであります。コメントとブログと、両方書くので大変なのであります。忠誠(韓国で「敬礼」の意味)!

投稿: こぶぎ中佐 | 2013年1月22日 (火) 19時48分

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