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指サックに市民権を!

1月19日(土)

「絶対に枚数を数え間違えてはいけない仕事」というのをやりながら、思ったことがある。

人間には、年をとった証拠であるとして認めたくないものが2つある。

一つは「老眼」。これは以前に書いた

もうひとつ、それは、

そう!「指先の脂がなくなること」である!

若い人にはわからないかも知れないが、だんだん年を重ねてくると、指先の脂がなくなってくる。

それでどうなるかというと、本のページを2ページ一緒にめくってしまったり、紙の枚数を数えるときも、なかなかうまく数えられなかったり、さらには、スーパーでもらったレジ袋を、うまく開けなかったりするのである。

そんな時にはどうするか?

昔の人だったら、指先をペロッと舐めて、指に水分をつけてから、ページをめくったり、紙の枚数を数えたり、レジ袋を広げたりするのである。

これを、何の抵抗もなくやり出すようになったら、もう完全なおじさんおばさんである。

だから、年をとったことをまだ認めたくない人は、指先を絶対にペロッと舐めないように必死で抵抗するのである。

そういえば、私が子どものころの学校の先生は、プリントを配るときに、もれなく指をペロッと舐めていたぞ。今の私と同じくらいか、それよりも若い先生がふつうに指をペロッと舐めていた。

いま、学生の前でそれをやったら、絶対にキモチワルがられるはずである。しかし、いまから20年ほど前までは、それが当たり前だったのだ。

昔のドラマ、そうねえ、たとえば、私の好きな刑事ドラマ「特捜最前線」をいま見返してみると、いまでは絶対にあり得ないことを、平気でやっていたりする。

一つは、「たばこのポイ捨て」。

たとえば刑事がたばこを吸いながら張り込みをしていると、そこに突然犯人が現れる。刑事は犯人を見つけると、吸っていたたばこをそのまま路上に捨てて、その犯人を追いかけるのである。

おいおい、火のついたたばこを路上に投げ捨てるなんて、ダメじゃないか!と、いまなら思うのだが、当時は何の疑問も持たなかったのである。

そしてもう一つが、「指舐め」である。

刑事たちが、犯人の名前を特定することに成功し、その犯人の住所をさがすために、みんなで手分けをして、全国の電話帳をかたっぱしからめくる。

そのこと自体も、いまからみると「ええぇぇぇ???」という感じなのだが、当時はインターネットなんかなかったのだから、仕方がない。

そのときに、刑事たちは、いっせいに指をペロッと舐めて、電話帳のページをめくっていくのである。

老練な刑事となると、眼鏡をおでこにずらし、そのあと指をペロッと舐めて、電話帳をめくりはじめる。こうなるともう、「老眼」と「指舐め」のダブルパンチである。

老練な刑事は別としても、「特捜最前線」に出てくる刑事の多くは、いまの私の年齢と同じくらいか、あるいは若いくらいである。その彼らが、何の抵抗もなく、指をペロッと舐めていた時代だったのである。

たとえば、福山雅治が、本のページをめくるのに、指をペロッと舐めていたとしたらどうだろう?百年の恋も冷めるのではないだろうか。…いや、福山雅治だったら、何をしてもサマになるのか?

まあそんなことはどうでもよい。

では、指舐めをしないで紙の枚数を数えるにはどうすればよいか?

答えは一つ。指サックを使うことである。

指サックなら、会社の若い事務員さんだってふつうに使っているのだ。

しかし、私のみるところ、指サックはあまり市民権を得ていない。

先日、ある方に紙を数える仕事をお願いして、指サックをお渡しすると、「いままで使ったことがありません」という。

「便利ですよ」と私が言うと、

「どの指につけるんです?」

「人差し指とか、親指とか、薬指とか、いろいろです。紙をめくる指につければいいのです」

「そうですか…」

その方は指サックをはめたのだが、いざ紙を数える段になると、なんと指サックをはめていない指で紙の枚数を数えはじめたのである。

「それでは意味がありませんよ」と私が言うと、

「やっぱり慣れていないとダメですね」と、結局指サックを使うことをあきらめ、素の指で紙の枚数を数えはじめたのであった。

なるほど、当たり前のように指サックを使っている人から見れば何でもない作業なのだが、まったく使ったことのない人からみれば、かえって効率の悪いものになってしまうらしい。

つまり、それほど指サックは市民権を得ていないのである。

考えてみれば、うちの職場で「絶対に枚数を数え間違えてはいけない仕事」の際に、指サックが支給されることはあまりない。仕方がないので、「マイ指サック」を持ってくるしかないのである。

ん?うちの職場だけなのか?

ともかく、「指サック」に対する認識は、まだまだ低いといえよう。

「指舐めからの紙めくり」が、市民権を得なくなったいまこそ、指サックに市民権を与えるべきである!

学校の授業で、「指サックを使った紙のめくり方」を教えるべきである!

抵抗なく指サックが使える社会を目指すべきである!

「指サック」という言葉に抵抗があるなら、「フィンガーキャップ」でもいい。

みんながふつうに指サックを持ち歩いているような社会をめざそうではないか。

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コメント

私の職場は基本的に「絶対に枚数を数え間違えてはいけない仕事」なので
指サックと貫通タイプの「メクリッコ」は大量の在庫がありますね。
私も常に両手の親指人差し指にはめてます。
指サック市民権運動にはグループ会社数十万人が賛同するでしょう。

あ、でもメクリッコだとそのままPCも打てるのでそっちの方が市民権得られやすいかもです。

投稿: 江戸川 | 2013年1月20日 (日) 10時37分

おおっ!この地味な記事に江戸川君が反応してくれたか!さっそく、メクリッコを買ってみました。というか今、メクリッコを指にはめながらパソコンを打っています。
たしかに職種によっては、指サックは必需品ですよね。私が理想とするのは、朝起きて、腕時計をはめる感覚で指サックをはめて通勤する、そんな社会です。あと、オーダーメイドの指サックが作られるとなおいいですね。

投稿: onigawaragonzou | 2013年1月21日 (月) 00時07分

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