新選組の組織論
私は、「むかしの刑事ドラマは、新選組を念頭に置いて組織が構成されている」という仮説を持っている。
新選組局長の近藤勇は、カリスマ的なリーダーである。自分から手を下すことはほとんどないが、最終的な責任はとる、「ボス」的な存在である。
総長の土方歳三は、近藤の右腕となって、実質的に新選組をとりしきる。新選組の「頭脳」でもある。
沖田総司は、若いが腕が立つ。
井上源三郎は、近藤よりも年上だが、近藤に忠誠心を誓い、若者に対する面倒見もいい。組織の「オヤジさん」的存在である。
これを、「太陽にほえろ」にたとえると、
ボス(石原裕次郎)=近藤勇
ヤマさん(露口茂)=土方歳三
ジーパン(松田雄作)=沖田総司
チョーさん(下川辰平)=井上源三郎
となる。
これを「Gメン75」にたとえると、
黒木警視正(丹波哲郎)=近藤勇
立花警部(若林豪)=土方歳三
速水涼子刑事(森マリア)=沖田総司
山田刑事(藤木悠)=井上源三郎
となる。
これを「特捜最前線」にたとえると、
神代警視正(二谷英明)=近藤勇
橘警部(本郷功次郎)=土方歳三
叶警部補(夏夕介)=沖田総司
船村警部補(大滝秀治)=井上源三郎
となる。
これを「西部警察」にたとえると、
木暮警視(石原裕次郎)=近藤勇
大門刑事(渡哲也)=土方歳三
巽刑事(舘ひろし)=沖田総司
谷刑事(藤岡重慶)=井上源三郎
となる。
まあ、沖田総司のところは、どれもかなりこじつけな部分もあるので措くとして、近藤=カリスマ的リーダー、土方=ナンバー2だが実質的なとりしきり役、井上源三郎=癒し系のオヤジさんという三点セットは、どの刑事ドラマにも必要不可欠な存在であったといえる。
1970年代以降に隆盛する刑事ドラマは、みなこの「新選組」的な組織を意識して作られたものだ、というのが、私の仮説である。
もっといえば、「新選組」的な組織論が、長くこの社会を支配してきただともいえる。
だから何なのさ?と言われれば、返す言葉はない。
ただ、むかしのドラマ「新選組血風録」(1965年)を見ていて、のちに隆盛する刑事ドラマに似てるよなあ、と思ったのがきっかけであります。
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コメント
美人古書店主(剛力彩芽)=近藤勇
バイト君(AKIRA)=土方歳三
その回のゲスト出演者=沖田総司
せどり屋(高橋克美)=井上源三郎
古書好きにはツッコミどころが多々あるドラマ版「ビブリア古書堂の事件手帖」ですが、
あの「月9」枠で、古本と「せどり屋」をフィーチャーしたドラマが堂々と放映されているのは嬉しい限り。
投稿: こぶぎ | 2013年1月24日 (木) 17時57分
剛力彩芽が近藤勇?なにぶんテレビがないもので、どんな内容のドラマなのかまったくわからないのが歯がゆいですなあ。
投稿: onigawaragonzou | 2013年1月25日 (金) 01時49分