世界は広く、世間は狭い
2月27日(水)
柑橘類で有名なE県のX大学に出張である。私はこのX大学を、初めて訪れた。
X大学で、Yさんという方に初めてお会いし、職場でとりくんでおられたお仕事についてのお話をうかがう。
いろいろとお話をうかがっているうちに、共通の知り合いがいることが判明した。
それ自体は、よくある話である。とくに私とYさんは、ほんの少しだけ専門分野が近いので、共通の知り合いがいることは、さほどめずらしいことではない。
さて、お昼。
構内の食堂で昼食をとっていると、Yさんが私に言う。
「あそこに座っている方、最近この職場に移ってこられた方なんですよ。今回のお仕事とも少し関係がある方ですので、ご紹介しましょうか?」
「はあ」
その方の席まで行き、挨拶をした。Eさん、という方である。
「はじめまして」
「はじめまして。以前は、隣のK県でMという職場につとめておりました」
「Mという職場ですか?!」
私は驚いた。その職場には、私の大学時代の1年先輩のSさんが勤めているからだ。Sさんはいまから15年ほど前、東京からはるか離れたK県に就職したのだった。
その先輩が就職するとき、私が引っ越しの手伝いをしたこと、そして、K県でおこなわれた結婚式の披露宴でカラオケを歌ったことについて、過去にこのブログで書いたことがある。だがSさんには、もう10年くらい会っていなかった。
「Sさんのこと、ご存知ですか?」私は聞いた。
「ええもちろん。元同僚ですから」
「私、大学でSさんの1年後輩でした。15年近く前、K県でおこなわれたSさんの結婚式にも出席したんです」
「思い出しました」とEさん。「たしかそのときのスピーチで、Sさんの引っ越しを手伝って大変だった、というお話をされていましたね」
「ええ」
「それに、カラオケで歌も歌ってらした」
「そうです!よくご記憶ですねえ」
私はますます驚いた。何と、15年近く前のSさんの結婚式に当時同僚として参加していたEさんは、私が披露宴でスピーチした内容や、歌を歌ったことなどを、覚えていたのである!
ふつう、知り合いの披露宴で、ぜんぜん知らない人間が、どんなスピーチをしたかなんて、覚えているか?
私の過去の行動について、それがたとえどんな些細なことであっても、どこで誰が、どんなことを覚えているかもわからないのだ。人間の記憶というのは、つくづく不思議なものだ、と思う。
さて、もう1人、思わぬ人と再会する。
数年前、このX大学を卒業した後、韓国のK大学に留学していた、Mさんである。
4年ほど前、私が韓国のK大学に1年間ほど留学していたときに、Mさんも大学院生として、K大学に留学していた。
私とMさんとは専門分野が少し異なるが、滞在中、学会発表の通訳などで、Mさんに大変お世話になった。とくに「携帯電話紛失事件」のときには、Mさんがいてくれたおかげで路頭に迷わずにすんだのである。「消えた携帯電話」というエピソードに登場する「大学院生」とは、Mさんのことである。
私はそのことを思い出し、案内役のYさんに聞いてみた。
「数年前、この大学の大学院生だったMさんて方、ご存知ですか?韓国留学中に大変お世話になりまして」
「もちろん知っていますよ。日本に戻って、いまうちの職場で研究員をしています。構内にいると思いますから、いまから連絡をとってみましょう」
そういうと、Yさんは携帯電話でMさんに連絡をとった。
ほどなくして、Mさんがやってきた。
「お久しぶりです」
「お元気でしたか」
専門分野も異なるし、帰国後はもう会う機会などないだろう、と思っていたが、人間の縁、というのは不思議なものである。
「いま、韓国のK大学に出す博士論文を書いています」とMさん。
「そうですか。厳しい先生ばかりですからね、あの大学は」
「そうですね」
「がんばってください」
「ありがとうございます」
短い時間だったが、思わぬ再会、というのは、何にせようれしいものである。
世界は広いけれど、世間は狭い。
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