3Dなのか?3Dじゃないのか?
3月10日(日)
「ライフ・オブ・パイ」という映画がおもしろいから絶対見に行った方がいいよ。3D映画だから、映画館で見ないと意味がない」
と妻に言われ、調べてみると近くの映画館で朝9時45分から上映開始だというので、旅の疲れが残っていたが、3Dメガネを妻から借りて、ひとりで見に行くことにした。
いよいよ映画が始まるが、3D映画だとは聞いたものの、周りを見渡すと、3Dメガネをかけている観客が一人もいない。
そもそも、3Dメガネをかけなくても、そのままでちゃんと映像を見ることができるのだ。
(おかしいな…。3D映画なのに)
私が3D映画を見るのは、なんと「アバター」以来である。それ以降、技術が飛躍的に進歩して、3Dメガネなしでも3D映像が楽しめるようになったのだろうか?
だが、そのまま見ても、あんまり3Dという感じがしない。
(おかしいな…。やっぱり3Dメガネをかけた方がいいのだろうか?)
そう思って、持ってきた3Dメガネをかけてみることにした。
メガネを外したりつけたりしながら、3D映像の効果のほどを確かめてみることにする。
うーむ。あんまり変わらないなあ。
でも、ほんの少し、3D映像になった気がするぞ。
このまま、3Dメガネをかけないで見ていると、けっきょく3Dにならないまま映画が終わってしまうのではないだろうか。この際、少しでも3D映像を見るためには、やはり3Dメガネをかけ続けていた方が得策である。
ということで、持ってきた3Dメガネをかけて見続けることにした。
(ほかの人たちはかわいそうだなあ。きっと3Dメガネを忘れてきたんだな)
私は、ひとり3Dメガネをかけた優越感に浸っていた。
しかし、である。
いったいどこかどう3Dなのか、正直なところ、あまりよくわからない。
(あ!いま映像が飛び出した気が!…でも、アバターを見たときほどの飛び出し方ではないなあ。きっと、監督は奥ゆかしい3D効果を狙っているに違いない)
などと自分を納得させた。
結局、3Dメガネをかけ続けて見ても、映像はほとんど飛び出さなかった。
(なんだよ。あんまり3Dじゃなかったなあ)
映画のエンドクレジットが終わり、3Dメガネを外して立ち上がると、後ろに座っていた女性客の会話が聞こえた。
「やっぱり3D映像で見たかったね」
えええええぇぇぇぇぇっ!!!!
3D映像じゃなかったのかあぁぁぁぁぁぁ!!!
いったい私は何のために2時間以上も3Dメガネをかけ続けていたのか?
そして、3D映像ではなかったのにもかかわらず、3Dメガネをかけると何となく3D体験をしたような気になったのは、いったいどういうわけだったのか?
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