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午前1時のドリンクバー

3月23日(土)

週末の2日間は終日、「前の職場」でボランティア作業である。

せっかく50㎞離れた「前の職場」に来たので、夜は久しぶりにこぶぎさん、Kさんと3人で、「ガスト会議」をしようということになった。

こぶぎさんのひとり旅の話は、相変わらずバカバカしくておもしろい。

「以前、醤油パスタの美味しい店に行ったでしょう?」

「ええ」

「あそこで使われていた醤油、北隣の県の『小京都』とよばれる町で作られていることを知ってね。すごい大雪の日だったんだけど、買いに行ったんだよ」

「わざわざ?」

「うん。お店に行ってみたら、『特撰』とか『本醸造』とか、いろいろな種類の醤油が並んでいてね。なんと試飲コーナーがあるんだ」

「醤油が試飲できるんですか?」私は驚いた。むかし、徴兵を忌避するために醤油を飲む人がいた、というのを聞いたことがあるが、そのことを思い出した。

「で、試飲してみたんだが、飲んでみても、基本的には醤油の味しかしなくて、醤油パスタに使われている醤油がどれだか、よくわからない」

「そりゃあそうでしょう」

「で、お店にいた女性店員さんに聞いてみたら、『よくぞ聞いてくださいました!』みたいな感じで案内されて、『これです』と紹介されたのが、なんと『そばつゆ』だったんだ」

「え?醤油パスタの醤油は、『そばつゆ』を使ってたんですか?」

「そう。それで、仕方ないから1リットル入り700円のそのそばつゆを買って、帰ってきたの」

「1リットルも?」

「で、そのそばつゆを使って、そばを食べてみたんだ」

「どうでした?」

「ちょっと僕にとってはしょっぱくてねえ。そばのつゆにはあまりむいていないと思った」

こぶぎさんの口には、あまり合わなかったらしい。

「それじゃあダメじゃないですか」

「でも、それで醤油パスタを作って食べてみたら、やっぱり美味いんだ」

「じゃあ、いっそのこと『そばつゆ』として売り出さずに、『醤油パスタ用の醤油』で売り出したらいいのにねえ」

「そうだよねえ」

醤油パスタの醤油を求めて、大雪の「小京都」を旅するバカバカしさに笑ったが、あとでハタと気づく。

醤油パスタの醤油ひとつにもこだわり、ホンモノを買い求めて風情ある町を旅するという姿勢は、考えようによっては『サライ』とかに出てくるナイスミドルのライフスタイルにも通じるのではないだろうか?!

…いや、それはないな。

ナイスミドルだったら、オッサン3人がガストで午前1時まで、ドリンクバーだけでねばっているはずはないもの。

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